僕のペット
(幼少期ジャブラ×スパンダム)
俺が連れてこられたのはエニエスロビー。
面倒なことにスパンダイン長官の依頼で、ガキのお守りをすることになった俺は、役人に連れられて異様に豪奢な部屋に通された。
「あとは御二人で」
と無駄な気を使った役人が下がった後、俺はやれやれと手元の資料に目をやった。
「15歳…ってことは、俺より年上じゃねぇかよ」
資料に付けられた写真には、いかにも「坊っちゃん」といった少年が写されていて。
音もなくソファーに近付いて
「写真より随分、子供っぽくて…」
ソファーで間抜け面を晒して寝るスパンダムを見て
「……綺麗だな」
なんて、俺は呟いた。
ふわふわと揺れるピンクパープルの髪に、宝石のように輝く瞳。
大切に育てられたんだろう、その白い肌。
写真を見て、ズキンと痛んだ胸。
目の前にいるスパンダムが、あまりにも美しくて…
愛しくて…
静かに頬に手を添えて
長い睫毛を揺らす想い人にそっと誓った
「俺がお前を必ず守るから」
チュッとガキ臭い音が漏れて…
触れただけの唇が
嫌に熱く感じた
嗚呼…
俺はこれから貴方の"しもべ"
友達でも恋人でもない
ただのペット…
(なのに貴方が「今日から僕のペットだな」なんて、嬉しそうに笑うから)
2011/12/25
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