Titel



未来を踏み倒して進む




もしも俺達の前に
大きな未来の壁が立ちはだかったら……




真夜中の男部屋…

ベットの中…




ゾロは静かに寝息をたてる。

その隣で……


「ゾロぉ…」

ルフィの声が聞こえる。


瞳は何だか潤んでいて…

ゾロの寝間着をぎゅっと握る

小さな手…



「…ゾロ」

と隣で眠っている恋人に抱きつく。


「一緒がいいっ」
ゾロの胸に顔をうずめ…

「ゾロっ…」






ゾロの腕がそっとルフィを抱きしめて…


「ゾロっ?」
ルフィがパッと顔を上げる。

「どうかしたのか?」
寝ていたはずのゾロが優しくルフィの頬を撫でる。

「怖い夢?」


ゾロの温かな声を聞き、安心したのか、ルフィはホロホロ泣き出して
「怖い、夢っ」
とゾロの胸に顔を擦り付ける。


「どんな夢?」

ゾロが静かに尋ねる…




「ゾロと離れ離れになる夢…」

と小さな小さな声は答えて……


「野望のために、それぞれの夢のために…別れなきゃいけないんだ。ずっと、会えないんだ……」



ルフィの声は震えていて…

まるで…まるで…


幼い子供のようで……



「大丈夫。」
ゾロが強くルフィを抱きしめる。


「大丈夫…」
涙で濡れた顔を、温かな手で拭ってやる。

「大丈夫だから、な?」



ルフィの泣き声が小さくなるまで…

ずっと囁いた…

ぎゅっと抱きしめた……




「野望のためにでも、おれはっ、ゾロと離れたくないっ」

ルフィはぎゅうぎゅう抱きついて、たくさん泣いた。



例え、それで海賊王になっても

隣にゾロがいなくちゃ意味ないんだっ!



「俺もお前と離れるなんて考えらんねぇな…」

ゾロもしっかりとルフィを抱きしめてやる。涙と一緒に。



例え、大剣豪になったとしても

隣にルフィがいなけりゃ

それはきっと…

何も叶っていないんだ。







「なぁ…ルフィ…?」

落ち着いてきたルフィの背を撫で、ゾロは言う。


「もしこの先、俺達に何があっても、俺はお前を愛してるから…」


ゾロがルフィの前髪をそっとかきあげ、白い額にキスを落とす。


「誓うから…。不安だなんて思うなよ…」


ルフィの潤んだ瞳がじっとゾロを捕らえ…


「俺も悲しくなるだろ?」

と静かに笑って……





「なぁ、ゾロっ」

ルフィがゾロの前に小指を出す……




「約束しよう…?」




ゾロは細い指に自分の小指を絡ませ


「お前がしたいなら…」








小指を絡ませ、キスをした…

野望も愛も…


相手に…

自分自身に誓うキス………


ねぇ、もし…

私達の前に未来が立ちふさがっても…




ねぇ…
2人で一緒に誓いましょう?

何があっても私達は…



未来を踏み倒して進む










/例え過去が追って来たって振り切って…
09/01/14
「安物スーパーマン」より
未来を踏み倒して進む


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(Thenks/つぶやくリッタのくちびるを、)





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