Titel



アンドロメダの未来

(ZL←S)


星空を見上げて
甘い甘い混沌を回して…




キッチンで1人、チョコレートを溶かす。

今朝立ち寄った島のレディー達は、赤らめた頬に赤いリボンが掛かったチョコレートをぎゅっと抱き締め歩いていた。

今日は「バレンタイン」と言う、素敵な愛のお祭りらしい。
想い人にチョコをそっと贈る、なんてロマンチックな催しだろう。恥じらう長い睫に、きらきら輝く甘い視線。細い腕が愛するあの人に絡め取られ、今宵、ベッドで甘い時間を…。

なのに俺は何をしているんだろう。3時間でログが書き換わってしまうとはいえ、もっと食材を購入する時間はあっただろうに。今朝の島での戦利品は甘い甘いチョコレートに、ケーキの材料。
今だって馬鹿みたいに、大好きなあいつを想って、なぜかチョコレートケーキなんて焼こうとしている。


馬鹿だな、俺は。


キッチンから覗く星空は、まるで俺を笑っているよう。
だって愛しの船長は、今頃あの剣士の腕の中。幸せな時間を過ごしているのだ。




静かにボールを置いて、ため息をつく。
惚れ薬なんて、この海にならいくらでもありそうなのに。なぜかまだ巡り会えない。

もしも、もしも、今この手にそんなものがあったなら。俺はお前に飲ませるだろうか?
甘く柔らかなこのスポンジに混ぜて、ドロドロと溶けるチョコレートの中に包んでしまおう。

きっとお前は俺に抱きついて、チョコレートなんか比べ物にならないほどに、甘くとろけるキスを強請るだろう。




なぁ…
今夜は甘いバレンタイン。

君は誰に何を贈る?








ほら、見てごらん?
化け物は石になって尚、生贄を求めてる。

だって、本当に君がほしいから。

気を付けて。
貴方の後ろ、貴方の隣。

今はいつだって変えれるんだ。

ねぇ……
君はハッピーエンドがお好き?

それなら目をつむって
決して真実を知ってはいけないよ

僕と、君との……




アンドロメダの未来










/ほら、石になったって君を見つめていられる。
2011/02/14
「安物スーパーマン」より
アンドロメダの未来




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(Thenks/つぶやくリッタのくちびるを、)





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