きっと、いつか、
(恋人設定)
叶うかな?
叶わないかな?
叶うかな…?
普段と変わらない少し肌寒い秋の夜。
髪をタオルでバサバサ拭いて、ボスンとルフィはベットに腰掛けた。ベットから時計を見上げれば、短い針は11時を少し越えていて……
「そろそろ、寝なきゃな」
とルフィは小さな欠伸をし、枕元にのそのそと亀のように移動する。
そして、小さく膝を降り三角座りをすれば、静かに瞳を閉じた。
ベットに入る前に今日あった楽しいことを思い出して、明日の幸せの為にお願い事をしてから眠るのが、最近のルフィの日課なのだ。
特に今日は、月に一度のデートの日で……
「今日はいつも以上に、いっぱい手も握れたし、たくさんキスも出来たな…」
と呟きながらルフィの頬が少し火照る。
思い出したように、ちらりと長い睫毛の隙間から艶やかな瞳が覗いて、ベットサイドに置かれた大きなクマのぬいぐるみを引っ張り、ぎゅっと抱き締め……
額に甘いキス。
このクマさんは今日のデートでゾロが買ってくれた大切なプレゼントなのだ。
「でも…」
ルフィの恥ずかしそうな小さな囁きが、温かな息にのり、ふわりとぬいぐるみの毛を撫で
「でも……出来るなら………」
甘い柔らかな声でルフィがお願い事を唱える……
「すぐにじゃなくて、いい…から………」
ぬいぐるみの柔らかな毛に唇をうずめ
「神様………お願い………」
愛する人の傍にずっといたい
愛する人の手にずっと触れていたい
愛する人の唇をずっと奪っていたい
あの人の腕の中でずっと抱かれていたい
願いが叶うなら
明日でなくてもいいから……
お願い、神様………
きっと、いつか、
/私の真っ赤に熟れた想いが愛する貴方に届きますように……
2009/09/14
「安物スーパーマン」より
きっと、いつか、
*
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(Thenks/つぶやくリッタのくちびるを、)