Titel



安物スーパーマン


風呂からあがって…

寝酒を一杯、

なんて考えて考えていたら…


スーパーマンが飛んできた。






「ゾロ〜」
と飛び付いてくるルフィをゾロはしっかり抱き止める。

「どうしたんだ?」
とルフィの顔を覗けば、可愛いキラキラとした笑顔があって…


「スーパーマンっ」
とルフィが首にキュッと括ってあるシーツをはたはたと揺らす。
「ほら、そげキングみたいなマントだぞっ」
と楽しげに、にしし!と笑う。


「よく似合ってる。」
とゾロはルフィの頭を撫でてやる。
そして、ルフィを見下ろし尋ねる。
「で、ルフィは俺を助けてくれんの?」



特に困ったことなんてないのだけれど、空も飛べない、安物マントのスーパーマンに喜んで欲しくて…



「今、助けてるだろ?」
と抱きついたままのルフィがゾロを見上げニッと笑う。


「湯冷めしないように、温めてんの。」


と真っ白なシーツが揺れる。




可愛いな、と

愛しいな、と

改めて感じて…




ルフィを抱き上げてベットへ運ぶ。

そして…




キス




「ゾロ…なんでキス?」
とルフィが恥ずかしそうに尋ねる。

「温めてくれたお礼。」
ゾロがルフィの髪を梳く。


「スーパーマンなんだから、お礼なんていらないぞっ!」


とルフィがほんわか赤い顔で明るく笑う。



「じゃあ……」




ゾロの腕がルフィの華奢な肩を掴み……

もふっとルフィは、ベットへ沈む……




「キスのお返しははベットの中で…」


ゾロがルフィを見つめ、甘い声で囁く。



「ちょっ…ゾロっ、」

予想していなかった事態にルフィが慌てる。




ゾロの手はひとつひとつルフィの寝間着のボタンを外し……




「なぁベットで楽しもう?」


ルフィの寝間着がするりと腕から抜け落ち…





「頼むよ、俺のスーパーマン…」




耳元で呟かれる言葉は、低くて、濡れっぽくて……

涙が出そうなほど、心地よくて…






空も飛べない安物マントは、密着する2人の体を覆い隠す……

窓から降り注ぐ夜の空は、きらきらと輝いて……


あぁ、まるで飛んでいるよう…








ねぇ…

私が困っていたら

貴方はいつもスーパーマンのように

どこからか現れて、助けてくれるよね?


だからね、

今日はね、

特別に…………


私が貴方の




安物スーパーマン











/空が飛べなくったって、貴方は「キス」という魔法で私を、空飛ぶ気分にさせる。
09/01/17
「安物スーパーマン」より
安物スーパーマン


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(Thenks/つぶやくリッタのくちびるを、)





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