Titel



まさかのジョーカー




木陰に咲く一輪のクローバーのように

きらきらと輝くダイヤのように

誠実なスペードのように


ただ、貴方のハートを

静かに、大切に、しっかりと

抱きしめて………




甲板でいつものように眠るゾロの隣、ルフィはカード遊びに没頭中。


「これっ…かな?」


と開いたカードはスペードのキング。

先程から表を向けてあったダイヤの2とは、明らかに違って……


「ん〜なかなか揃わないなぁ…。ハートの2だと思ったのにっ」

と両方のカードをパタンとまた裏返す。




紺色の繊細な模様の描かれたカードたちの背中が、あちらこちらに散っていて…


「じゃあ…これっ」

と開いたカードはダイヤのエース。


「えっ〜とぉ」

とカードの上をルフィの手がいったりきたり…






「一番、右上の…」


低く優しい声が聞こえて…

ルフィの首筋にゾロの甘い息がかかる。


「ゾロっ」
ルフィは驚いたように後ろを振り返り
「うるさかった…?」
と心配げに尋ねる。

ゾロは優しくルフィの頭を撫で
「大丈夫。」
と柔らかに微笑む。




「それより、右上。裏返してみて…」

ゾロが指でトントンと右上に静かに伏せているカードを叩く。


不思議そうにルフィはそのカードを掴むとそっと開いた。






ハートのエース……


「ビンゴ。」
とゾロはニッと笑う。

「すごいっ!ゾロ!」
とルフィはゾロに抱きつき、きらきらと瞳を輝かせる。
「魔法みたいだっ」



本当は、ルフィがトランプを床にばらまく時から目覚めていたのだけれど……



「まぁな、ハートのエースだからな…」

とルフィの頬に手を添え


「ルフィのこと考えてたら、自然にわかった…」


なんて、甘い嘘…








「なぁ、ゾロっ」

楽しそうにゾロの膝に座って、ルフィがカードをぐしゃぐしゃと混ぜる。

「相性占い、しよ?」


普段なら、占いなんて信じない、と素っ気ないゾロも、ルフィの笑顔の魔法にかかってしまえば……








「で、1枚カードを選ぶんだな?」
ゾロがルフィを背中から抱きしめて問う。


2人の前にはあちこちに散ったトランプ達が…


「うん。一緒に選ぶんだっ」
とルフィはにこにこと笑い…


そして……

2人で一緒に手を伸ばす………








開いたカードは…………


………?




まさかのジョーカー









/ジョーカーなんて、占い本には載っていない…。と、いうことは……占い本にも載らないぐらい、相性抜群ってことよね?
09/01/16
「安物スーパーマン」より
まさかのジョーカー


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(Thenks/つぶやくリッタのくちびるを、)





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