踏み出す一歩
一番はじめにキスをして
最後の最後に導いて…
サンジの背中を見ながら走る。
隣にはゾロがいて、何だかやっと実感できた気がする。
もうすぐ、みんなにも会えるんだ!
ゾロが言った「9番」。
それは他のクルーが既に集まっていることを示しているわけで。
「待っててくれて、ありがとなっ」
とニッと笑えば、ゾロが、ん?と首をかしげて
「1番だったんだろ?1番におれ達のこと待っててくれたんだよな?」
その事実が嬉しくて、どうしようもなく胸が高なって。何だか涙が出そうになった。
なんて、幸せなんだろう。こんな近くに仲間がいる。こんな近くにゾロがいる。おれの大好きな人。おれがあの時、1番会いたくてたまらなかった人。
ポタリと涙が溢れれば、
それを隠すようにいきなり抱き寄せられて、
2年ぶりのキス。
一瞬、時が停まって。目の前が真っ白になって。
温かい親指にそっと涙を拭われて、
「締めは船長に譲ってやろうと思ってな。」
なんて。全然変わらない優しい顔。
ぎゅっと手を繋いで
「ほら、7番が呼んでる。」
指さした先には、やっぱり変わらないサンジがいて。
「泣いてる場合じゃねぇだろ?」
と押された背中に何かを感じて。
きっともっと先に!
おれは大きくサンジに手を振って、
大好きな人と走り出した。
/踏み出す一歩は、貴方と共に。
2011/09/11
*
[ 2/20 ][prev] [next]
Back