New world



野獣の好物



食べてしまいたいほど
すきですきで堪らないのです!




大好きな温かな胸に抱かれて、瞳を閉じれば、とくとく優しい鼓動が耳に響いて。
「…ルフィ。」
そう、髪を撫でて囁いた甘い声が、ふわりと身体に反響して籠もって聞こえた。


この温かさを表すなら、きっとココア。
ふんわり甘くて、いい香りがして、安心できる。

この優しさを表すなら、きっとマシュマロ。
真っ白で柔らかなくせに、沈んでしまうことはない。

だけど、ココアともマシュマロとも、ゾロが少し違うのは、乳臭くも甘ったるくもないところ。



「ゾロは、不思議だ。」
ふと思ったままを呟けば、
「そうか?」
と唇が降ってきて、額にピタリと触れたまま、
「俺は俺だろ。」
そう、腰を更に引き寄せられた。

「だから、不思議なんだ。」
おれを抱く腕に負けじと、しっかりとした鎖骨にキスすれば、
「ゾロは、おれがすきな甘い匂いもしないし、柔らかくもないだろ?でも、」
深い緑の瞳を見つめれば、吸い込まれてしまいそうだと、

「おれはゾロがすきだ。」
甘ったるい吐息をついた。



満足げに笑った大きな手のひらに、くしゃりと髪を撫でられて、
「俺は食いもんかよ。」
と囁かれれば、温かな指先がおれの顎に触れて、
「喰われるのは、」



ペロリと、唇を舐められた。



「俺じゃなくて、お前だろ?」






前言撤回!
やっぱり、ゾロは甘ったるい野獣でした!










2013/01/29
/野獣の好物は、可愛い可愛い仔羊の唇。




*

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