夏は暑いものだと誰でも知っているし、人間に限らず動物だって植物だって暑いと認識しているだろう。つまり何が言いたいかといえばとにかく。

「暑い」
「暑い」

どうしようもなく今僕らは暑いのだ。
かと言って海水浴にもプールに行くわけでもなく、涼しさを求めてショッピングモールへぶらつきに行くわけでもない。この暑い中を出歩くくらいなら一秒でも早く家について、クーラーの効いた部屋でアイスを食べた方が確実にいい。それに野郎二人だけで海じゃプールじゃショッピングモールじゃ行っても何ら楽しくない。女子がいなければ花がなければ!

「野郎二人きりってのがまた暑さを感じさせるのかもしれないね」
「有り得るな。それか地球が爆発する寸前」
「暑いから?」
「そうそう」

有り得ない話でもなくない、と思った僕の思考は暑さにやられていたかもしれないけど、暑いから仕方がない。どれだけ暑いかと言えば、立っているだけで体中から汗が出て、コンクリートの照り返しとゆらゆら揺れる陽炎に目眩を覚えるくらいには暑い。きっと記録的な猛暑日に違いない。

「コンビニ寄る?」
「何しにさ」
「涼みに」

それならば、ついでにアイスも買ってしまおう。この炎天下だから食べる前に溶けてしまうかもしれないけど。「じゃあ食べながら帰ればいいじゃん」それじゃあ食べている間に溶けるだろう? それにクーラーの効いた部屋で食べるのが重要なんだ。

「俺もお前んち行こうかな」
「お好きにどうぞ。でも宿題やるよ?」
「写させ「邪魔したら追い出す」

ああすいませんごめんなさい真面目にやります。という声を聞きながらコンビニの自動ドアの前に立つ。開いたその先は正にオアシス。ここで汗がひくまで時間を潰すことにしよう。





〜SummerSummer〜
(そんな僕らの)
(夏休み事情)

prev next

 

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -