次こそ楽しいピクニック



 しばらく進んでいくと、ミミさんたちの姿が見えた。どうやらトゲモンとも合流したようで、一緒の場所にいた。


「京ー!」

「ミミさん!」

 その私たちの声に、京ちゃんとミミさんは嬉しそうにこちらを見た。


「オレたちもイービルリング外れたゲコー!」

「ありがとタマー!」

 ゲコモンとオタマモンも、ミミさんたちにお礼を言っていた。結局楽しいピクニックでは終わらなかったけど、ミミさんや京ちゃんたちが戦ってくれたおかげで、デジモンカイザーの支配下にあったエリアをひとつ減らすことが出来た。とてもお手柄である。


「ミミ!」

「なーに?」

「このエリアの番人は、あたしがなります」

「頑張ってね」

 ミミさんはトゲモンにそっと寄り添った。


「あいつは?」

「ミミさんのデジモンの、トゲモン!」

「へー……、トゲモン! 頼むぞ!」

『お願いします!』

「い、いやあ……頑張りますぅ!」

「あはははは!」

 私たちがそう頼むと、トゲモンは恥ずかしそうに意気込んでいた。私たちはその様子を見て、思わず笑った。









 私たちが現実世界に戻る頃には、すっかり日が暮れていた。


「今日のピクニックはこれで解散!」

「ミミさん、お元気で!」

「湊海ちゃんたちもね」

 ミミさんは私たちとは逆の方向のようで、私たちを見送ってくれていた。


「あ、ミミさーん!」

 話をしながら歩いていると、京ちゃんは何か言い残したことがあったようで、ミミさんの方を振り返った。


「今日はー、ミミさんにー、会えてー、楽しかったああああ!」

 京ちゃんのその言葉に、ミミさんは少し考え込むと、何かを思いついたように笑って、人差し指を立てた。


「ビンゴ!」


 ミミさんと京ちゃんはすっかり親交が深まったようだ。私は頬を緩めた。――今度は、選ばれし子どもたちみんなで、ピクニックに行きたいな。






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