お昼を食べ終わってしばらくしても、京ちゃんとホークモンは戻ってこなかった。そればかりか、今度は探しに行ったミミさんまでもが、一向に戻ってこない。私たちは、京ちゃんたちを探し始めた。
「京ー!」
「ホークモン!」
「ミミさーん!」
そう探し続けていると、大輔くんがごそごそと何かを探り始めた。
「大輔くん?」
「どうしたの?」
私たちは大輔くんの傍に寄った。大輔くんはデジヴァイスを見ていたらしく、そこには点がひとつ点滅していた。しかし、その点滅は弱々しく、位置が分かるまでには至らない。
「京からの連絡だとは思うけど……」
「通じているが弱いなあ……。どこに行っちゃったんだ?」
「デジモンカイザーに邪魔されているのでは?」
私たちは眉を潜め、顔を見合わせた。その可能性は大いにある。京ちゃんたち、大丈夫かな――。
そのまましばらく見つめていると、右上の水色の点が唐突に消えた。
「あっ、敵のエリアが消えた!」
「Dターミナルにもメッセージが入りました。あたしたちは無事よ。京!」
「心配させやがって!」
私たちはほっと息をついた。良かった、みんな無事で……!
しかし、それもつかの間、遠くから何かの大群が、私たち目掛けて走ってきた。
「な、なんだあ!?」
「こっちに来るわよ!?」
「あれは……」
目を凝らしてよく見ると、そのデジモンたちは以前に会ったことがあった。
「そうだ、ゲコモン!」
「オタマモン!」
私とラブラモンは同時に声をあげた。何とも懐かしいデジモンたちだ。
「湊海ちゃん、知ってるの?」
「うん、前の冒険で会ったことがあって……、ほら、タケルくん。バラバラになったみんなを探しにふた手にわかれたことあったでしょ? その時に会ったんだ」
「へー、そうだったのか。……ってことは、ゲコモンたちはミミさんの知り合い?」
「あはは、あの時ちょっと色々ね」
ミミさんはお城のお姫様になって、ワガママ放題してたんだっけ。懐かしいなあ。今となっては笑い話だが、当時は結構大変だった。そうそう、ゲコモンたちにメイド服を貰ったんだっけか。今は小さくなって着られないんだけど、いい思い出の品だ。
『湊海! ラブラモン!』
ゲコモンとオタマモンたちは急ブレーキをかけると、嬉しそうに私たちに寄ってきた。
「元気にしてたゲコか?」
「うん、元気だよ。ゲコモンたちは?」
「実はさっきまでデジモンカイザーに操られてたタマぁ……」
「でも、ダークタワーが倒れて、解放されたゲコ!」
「それは多分、ミミさんたちがやってくれたんだよ」
「ミミにお礼を言いたいゲコ!」
「京たちの居場所なら、これで分かるんじゃないか?」
大輔くんはデジヴァイスを私たちに向けた。先程は弱々しかった点滅が、今でははっきり見えるようになっている。
「これならミミさんたちの場所も分かりそうだ! 行こう!」
「そうね!」
「よーし、出発だー!」
こうして私たちは、ゲコモンやオタマモンたちと共にミミさんたちの元へ向かった。