日が落ちてきて、辺りはすっかりや夕暮れ時だ。そんなとき、ようやく大輔くんたちが私たちのところに戻って来た。
「もう遊びは終わりましたか?」
ホークモンが呆れた様子で大輔くんたちに訊く。
「遊んでなんかいねえったら! どうだ、ブイモンが成熟期のエクスブイモンに進化したぞぉ!」
どうやらブイモンは無事にエクスブイモンに進化したようだ。うん。やっぱりエンジェモン系じゃないよね。大輔くんはエクスブイモンの肩に乗り、自慢げにそう言った。
「これで、復旧作業が早く終わりますね」
「エクスブイモンと大輔には、張り切ってもらわないと!」
伊織くんと京ちゃんがいたずらげに笑う。
『ねー!』
「ええっ!?」
大輔くんは思わずエクスブイモンから落ちてしまう。その様子を見て、私たちは大声で笑った。
「冗談だよ、大輔くん。エクスブイモンすごくかっこいいと思う。進化できて良かったね!」
「湊海ちゃああああん!」
大輔くんは泣きべそをかきながら、私に思いきっきり抱きついてきた。先程の罪滅ぼしというのは内緒だ。
「もう、湊海お姉ちゃんは大輔くんに甘いんだから」
「本当だよ、全く……」
ヒカリちゃんとタケルくんが苦笑いで私たちを見つめる。
「普通だよ、ふつー」
私はそう返して、大輔くんの頭を撫でた。今日は色々と、お疲れ様。
その日の夜。私は机に向き合っていた。今日ずっと考えていたが、恐らくこれしかない。
「……よし」
私は頷いて、机の引き出しからレターセットを取り出した。
「湊海様、どうされました?」
その様子を見ていたラブラモンが不思議そうに尋ねる。
「賢ちゃんに伝えるの。私の気持ちを」
私は便箋を広げ、ボールペンを構えた。直接会いたくはないだろうから、せめて――。
私の気持ちだけでも、貴方に届いて欲しい。