所々アルマジモンの面影を残しつつ、全身が潜水艦になっているサブマリモン。体はメタリックになっており、人を乗せられる空間もある。まさに海で戦うには1番適しているデジモンだ。すごい、初めて見たこんなデジモン――!
「ひょおお! さすが誠実、格好いい!」
「これってきっと、海のデジモンだよ!」
大輔くんとブイモンは歓声をあげた。
「さあ、急いでここから離れるんだ!」
丈さんの誘導で、大輔くんとタケルくんもホエーモンの口の中へ入っていく。
ホエーモンは私たちが全員中に入ったのを確認すると、深海を進み始めた。
「……ねえ。あなたって……」
私が声をかけると、タケルくんとヒカリさんも不安そうにこちらを見つめた。
「そうです。3年前にお会いしましたね。覚えて頂けてましたか?」
その返答に、私たちはみるみるうちに笑顔になった。やっぱり、あのときのホエーモンだったんだ……!
「……うん! 忘れるわけないよ!」
「良かった、ホエーモン! また会うことができて!」
タケルくんとヒカリちゃんは興奮気味に、そう答えた。丈さんも頬を緩めながら、2人を見つめる。
「私もまた、皆さんのお役に立てて嬉しいです」
3年前も、とっても優しかったホエーモン。それは今も変わらない。再会できて、本当に良かった――!
首を傾げていた大輔くんたちに説明をしつつ、私たちは地上へ向かっていく。ダークマスターズと戦っている辺りのことは、私たちの冒険の中でも1番辛かったときなので、やっぱりなかなか話すことができない。
でも、せっかくホエーモンがいることだし、その辺りのことは話すことにした。大輔くんたちは真剣に、私たちの話を聞いていた。
「そっか……。ヒカリちゃんたち、すごく辛い思いをしたんだね」
「1番辛かったのは、犠牲になったデジモンたちさ」
「でもそのデジモンたちがいなければ、私たちは前へ進めなかったわ」
「そうだね。だから今日みたいに会うことができると、本当に嬉しい」
そう話していると、ホエーモンは無事に地上まで出たようだ。声をかけられた私たちは、ホエーモンの体内から脱出した。
「ぷはあ、久々に新鮮な空気を吸ったよ!」
「本当ね!」
私は大きく深呼吸をした。やっぱり、お日様の下は気持ちがいいね。すると、水しぶきと共にメガシードラモンが姿を表した。
「何か大人しくなってるみたい……!」
「やった!」
「イービルスパイラルが破壊されてるう!」
メガシードラモンが尻尾を見せると、みんなは嬉しそうに笑った。
「伊織が!」
「サブマリモンが!」
「イッカクモンが!」
『やってくれた!』
私たちは歓声をあげた。これで一件落着、かな!