◇Subway?Someday?その 3


一時間後−−…。




軽い昼食を済ませてシングルトレイン乗り場へ着くと何やら入り口が騒がしく、人集りが出来ていた。



「こ、この混雑は一体…?」

「あ、ノボリさん!」



人集りの中からバトルサブウェイで働く駅員がヒィヒィ言いながらノボリの名を呼んで現れた。




「貴方は確か……駅員1!」

「俺はカズマサって名前があるんだよ。誰が駅員1だテメ…ゴホン、失礼しました」

「………取り敢えず貴方の荒振りに今は突っ込まない事にします。もう一度聞きたいのですが、この騒ぎは一体なんですか?」

「そ、それが大変なんです!挑戦者が24連勝して、ノボリさんに挑戦したい…と……」

「…!」



24連勝…。
久し振りにその数を聞いた。
その数字をどれ程待ち望んだ事だろう。



『…クダリには悪いですが、今日はとてもツイてますね』


心臓が高鳴る。
早く其処へ行きたい。
戦いたい。



「あのー…ノボリさん?」

「…分かりました。挑戦者を待たせてはいけませんね。すぐに行きます」

「えっ!どんな方が来たとか知りたくないんですか?」

「そんなの見れば分かります。私自身の目で見たいのです。それにワクワクは残して置いた方が良いでしょう」

「…そうですか」

「では、行ってきます。ご報告有難うございまし」

「行ってらっしゃい、ボス」

溢れそうな興奮を抑えつつ野次馬と恭しくお辞儀をする駅員に背を向け、ノボリは社員専用の入口へ向かった。

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