このムカつく男の後について行くと、一階の広間のような所に出てきた。中にはいると待ってましたと言わんばかりにクラッカーが鳴り響く。


「入学おめでとうございます!!」
「これからよろしくな!!」
「おっ、なかなか可愛E〜」
「せやなぁ、ジロー」
「いや、初対面で変態発言すんなよ二人とも!」
「全く…騒がしいな。静かにして下さいよ」


ぎゃあぎゃあと騒がしいなホールに唖然とする私。隣に立っているムカつく男子は頭を抱えてため息を吐いていた。静かにしやがれ、と呆れたように言えばホールは静まり返る。やっぱこの人が中心核なのかな。


「とりあえず、ここに居るのはお前と同じ寮生活をしてるテニス部員だ。」
「テニス部員?」


声を上げて首を傾げれば、元々は全国に行くテニス部レギュラーの為に造られた建物なのだと説明してくれた。どんだけ金持ちなんだよ。そしてここに住んでるみんなはテニス部のレギュラーで有ることも教えてくれた。


「familynameです。宜しくお願いします。」
「よろしく!!俺は岳人、んでこの眼鏡が侑士。その奧のがジローで、長身のが鳳、隣が亮でその後ろの目つき悪いのが日吉。そんで今料理持ってきたのが樺地。樺地と鳳、日吉は一年で他は二年な。てかお前何年?」
「えっと、一年です」
「そっか、じゃあ年下だな。まぁでも俺には敬語じゃなくて良いぜ。」


マシンガントークを炸裂させた岳人先輩はご丁寧にも全員の自己紹介してくれ、大体のみんなの顔と名前を覚える事が出来た。ふと、隣に立つ彼の名を聞いていないことに気付き彼に名前を問えば、跡部景吾、と言う名だと教えてくれた。この人も先輩だったのか。タメ口使わないで良かった。


「それから、侑士とジローには気を付けろよ?あいつ等手早いし見境無いから、2人っきりとかになるな」
「え、あ、はい」
「あ、後、ここには居ないんだけど滝って言う二年も居るから会ったら挨拶しとけよ?あいつ礼儀には煩いから」
「はい、気を付けますね」


岳人先輩ってすっごく話しやすいな。女の子みたいな顔立ちだからかな。こしょこしょ話をしながらそんな事をしていると、なに話してんねんと侑士先輩が岳人先輩の首根っこを引っ張りながらあっち行くで、と席に移動したのを切り目にお開きになった。ごめん、とジェスチャーで表す彼を平気ですと言う意味を込め笑顔で手を振ればname、と跡部先輩に声をかけられる。


「お前に言っておく、俺はテニス部部長で生徒会長だ。」
「はい」
「だから、困ったことがあったら俺に言え。何とかしてやる」
「はぁ……」


それから、とついでの様に言われた爆弾発言に唖然とした。


「お前は今日から生徒会副会長だ。俺のサポートをしろ」


どーんと、背景に効果音が大きく付くような顔で言われた。なる程これがどや顔か。なんて感心している場合では無い。大体二年生の跡部先輩が生徒会長なのも謎だが副会長の席がぽっかりと空いている訳が無い。元の副会長の人は一体どうしたと言うのだ。


「辞任させた」
「職権乱用ですよ!?」


なんかもう色々信じらんないよこの人。


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