と言う訳で氷帝学園の前までやってきた訳なんだけども。


「広過ぎ…!!」


中はまるでお城のように広々としていた。此処は本当に学校なんでしょうか。思わず目を疑いたくなるような内装に驚き戸惑っていると、いきなり誰かに手を引かれ振り向かされる。吃驚して凝視してしまったが、相手も自分を凝視していたのでお互い様だと思う。

恐らくこの学園の生徒と思われる制服を着ている男子は、私を見るなり凄く嫌そうな顔をした。
…まぁ、田舎女ですから、そうなるのも分からなくもないですけど。初対面でそんな眉間に皺を寄せられるとこっちだって良い気はしないんです。それに腕ひっぱっといて何にも言わないんですか。ごめんくらい言ったらどうなんですか。そう言った心の声を飲み込んで、あの、離してもらえませんか?と言ったにも関わらず。彼の手は話される事無く尚も私の腕を掴んでいる。なんなのこいつ。


「あの!」
「お前、この学園の生徒じゃねーだろ?」


やっと口を開いたと思えば見てすぐに分かるような質問を言ってきた。その質問今までためておく必要ありました?


「そう、ですけど?」
「…部外者が何の用だ?」
「…今日からこの学園に来る事になった転入生です。だから私は部外者じゃありません。」
「…転入生?何言ってやがる、そんな連絡俺様には来てねーぞ。」


彼はチッと舌打ちをした後、携帯を取り出し誰かに連絡をし始める。ちょっと、君。いい加減私の腕離してくれないかな…。


「もしもし、跡部です。はい、すみません、お忙しい所いきなり…ええ。分かりました。では、自分から事情をお話しする、と言う形で宜しいですか?はい、承知致しました。」
「あの、腕、」
「学園長から話は聞いた。本当に転入生みてーだな。」
「あぁ。そうです。それより腕を離し」
「今から寮に連れてってやる。一発で道覚えろよ」


何この人、耳付いてんの?私の腕をつかんだままぐんぐんと進んでいく彼に付いていくと、すっごく綺麗な建物の前に着いた。もしかしてこれが寮?


「以外に何に見えんだよ」
「いや…」


マンション位には見えますけど。と言いそうになるも彼の眼が本当大丈夫かこいつみたいな目だったので何も言わずに黙った置いた。私から言わせればあなたの方が大丈夫?って感じですけど。


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