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昔、嘘つきと言われた私は嘘なんか付いていなかった。それなのに皆は私を嘘つきだと指を差し馬鹿にし、離れて行った。

私は悪い事なんて何にもしていない。それなのにどうして?信じて貰えない事に対して疑問と苛立ちが小さな身体の中を渦を巻いた。その頃の私はその気持ちをセーブするだけの力なんて持っていなくて、仕返しに私は本当に嘘をついてやった。

するとどうだろう。今まで真実を言って来た私が馬鹿らしくなるくらい私の周りには人が集まった。嬉しくて楽しくて馬鹿らしくて、私はもっと嘘をついた。嘘を嘘で塗り固めて、塗り固めて…。

今ではもう、昔についた嘘は真実か嘘か、自分でも分からなくなっていた。

私はただ、誰かに信じて欲しかっただけなのに。

心の渇きは今日も潤う事無く、ただその域を浸食させていく。
積み重ねる嘘の数だけ、そのスピードを増して。


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