03


「意味なんてないよ、ただ俺が楽しければそれでいいだけ」


聞かなきゃよかったと本気で思った。それと同時に彼は頭で行動するような人では無いんだな、と思った。彼は愉しければそれでいいのだ。それが彼の全て。


「最低ですね」
「君に言われる筋合いは無いよ」


確かに彼の言う通り。私は人のことを言えるような立場ではない。静かに溜め息を付き、切り直す。とりあえず、明日から学校をどうするか、だ。学校1のもて男とつきあっている事になってしまったのならばそれなりに色々困ることが出て来そうだ。特に問題なのはいじめだろうか。内容によっては私の時間が減ってしまう。シカト程度なら何ともないが、教科書を捨てられたりしたらお金もかかるし手間もかかる。どうしたものか。


「だからマネージャーになればいいんだよ」
「どうしても入れたいんですね」
「君のためを思って言ってるんだよ」


明日になったら、きっと君から部活に入りたいと言い出すよ。そう言って電話を一方的に切る。マナーがなってないと思いながら電話を切れば、メールが届く。電話の次はメールか、と受信ボックスを開くと、そこには仁王の文字。


「お前さんいつから幸村と付き合っとるん?」


情報の速さは相変わらずだな、と思いながら返信をうっていく。仁王位になら本当の事を言っても良いよね。


「付き合ってない、ってどういう事じゃ」


なんか打つのめんどくさくなってきたな…
説明するとなるとやはり長くなってしまうため、半分くらい書いた文を消して書き直す。送信ボタンを押してしばらくすると、仁王から電話がかかってきた。


「お前さん、長電話するときに相手からかけさせんのやめんしゃい」
「なんで分かったの」
「…女って最悪じゃ…」


口振りからして、他の女の子もそうだったって事か。仁王ってあんまり女子にメアドとか教えなさそうなのに、結構ガードゆるゆるなんだ。と言うと否定の声を上げ、丸井が勝手に女子に…ってそんな話はどうでもいい。などと自ツッコミを入れて逸れた話を元に戻す。


「付き合ってないのに噂が流れとるのはどう言う事じゃ」
「幸村君が間違って流しちゃったんだとさ」


そんなん嘘に決まっとる…。と溜め息を吐き出す仁王。やめてよ。私までまた溜め息出そうじゃない。


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