ヤンキーちゃんと眼鏡くん



ピアスに化粧、制服は着崩して当たり前。そんな見るからに不良生徒です。って感じの私は常に服装検査に引っかかっている。今日もそうだ。引っかかった私は生徒指導室に呼び出しを食らっていた。無理やり連行された後、校則違反だって真田にチョップを食らった。マジ真田ありえねぇ。不機嫌な顔をして彼を睨むと、当然だ、と言う顔をしてふんぞり返っている(ように見えるだけで実際は多分違う)


「校則違反より暴力のがひでぇよ死ねよ」
「…もう一発いくか?手加減なしで」
「ごめんなさーい」


反省の色なし、な私に苛立つ真田が目に見えているが私はそれを無視する。はぁ、と真田の隣からため息を吐く声が聞こえた。メガネを掛けたいかにも真面目です。って風貌の男。派手で馬鹿そうな私とは対照的に地味で頭の良さそうな彼は、私の幼なじみでもある。


「真田君、後は私に任せて頂けないでしょうか?」
「…あぁ、では宜しく頼む。」


すまない、柳生。と一声かけてから部屋を出る真田。二人きりになり沈黙が訪れる。少し息を吐いて困った様に首を傾げる彼。


「名無し」
「何」
「いい加減にその格好を直したまえ」
「うるさい」
「反抗的ですね、相変わらず…」


面倒だと言わんばかりに頭を抱える比呂士。そんな彼を見て苛立つ私。こんなお互い不利益な事さっさと辞めてしまえばいい。そう思うでしょ、比呂士も。だからさっさと帰ろうぜ。


「いけませんね。」
「何で」
「帰りたいのは山々ですが、貴方が制服を直してくれないのならば、帰せませんから」
「比呂士いつからそんなめんどくさくなったの?」
「前から変わりませんよ」
「そういやそーか」


どさっと机に足を乗っけてソファーによりかかる。その様子が気に入らないと言った様に見下ろす比呂士。まぁ落ちつけって比呂士。


「私は落ちついていますよ」
「ははは、とか言って私の足に目が行ってるくせに」
「な…!」
「え、」


冗談のつもりが図星だったのか顔と耳が真っ赤になる彼。あら、そうなんだ。ふーん。へー。


「ひろ、足ふぇちなんだ」
「ち、違います!」
「真っ赤な顔で言われても説得力無いし!」


爆笑する私に、涙目になりながら否定する彼が可愛くて仕方ない。そんな君に免じて明日からはちゃんとして来てあげるよ。


スカート以外、ね。


(ほら、直してきてあげたわよ!)
(ぶっ…す、スカートの長さはどうしてそのままなんですか!)


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2011/11/10 最早祝う(ryシリーズ←




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