微糖恋愛



私の彼氏はテニス部の三強と呼ばれていて、データテニスが得意なとても真面目な人。
…でも、そんな彼が最近なんだか冷たい。


一体私が何をしたというのだろう。


心辺りなんてないし、何かをやらかした訳でも、無いと思う。

彼に聞こうにも、話しかけてもオールスルーな彼はもう酷いとしか言いようが無いと思う。


「ていう感じなんだけどどう思う?」
「知らないっスよ!俺に聞かないで下さいよ!」
「えぇー!!酷い!!赤也ならちゃんと聞いてくれると思っていたのに!!」


もう、練習させて下さいよ!真田先輩にペナルティもらっちゃうじゃないじゃないッスかぁ!!と嘆いている後輩を無理矢理連れて来て相談に乗って貰っている部活の休憩時間。
休憩何だから気にするな!!って言ったら練習メニューがまだ終わってないらしい。自業自得だ。ちょっと使い方違うかもだけど。


「って言うか名無し先輩、本当に心辺り無いんですか?」
「どうしてみんなして私に非があると思うのさ」
「日頃の行いがどーちゃらって奴っスよ」
「赤也お前覚えてろよ!お前にはもうドリンク作ってやんないからな!!」
「それイジメッスよ!!かなり陰湿な!!」
「だって私、今回は本当に覚えが無いんだよ!!」
「いつもはあるんスね?」


無い訳ではない。って何を言わすんだ!!赤也のバカやろー!!と頭を殴ると赤也は頭を抑えて涙目になっていた。


「名無し先輩が勝手に喋ったんじゃないっスかぁ!!」
「もー、そーゆう話をしてたんじゃ無いの!!」
「分かってますよぉ…えーと、何で柳先輩が冷たいか、ッスよね?」


そうそう、と頷いてみせると赤也はんー、と唸り出した。


「じゃあ無意識になんかやっちゃったとか?」
「無意識?」
「そうっス」
「無意識かぁ…」


無意識、無意識、無意識…?
あ。なんか分かっちゃったかも。


「分かったよ赤也!!」
「マジっすか!?」
「うん!!ていうか、そんなことでって感じなんだけど…」
「どんな事言ったんすか?」
「んー?内緒」
「酷っ!!ていうか、結局名無し先輩に非がありましたね」


うるさい!と赤也の頭を叩いてから蓮ニ君の下へと駆けていく。
もう赤也なんて放置だ、放置。


「蓮ニ君!」
「…………」
「蓮ニ君ってば!!」
「…………」
「もういいよっ」
「…………」
「もう飽きた!お終い!!蓮ニ君の声聞きたい!」
「…気紛れだな、本当」

はぁ、とため息を付いている彼をにっこりと笑って見つめると頭を叩かれた。痛いよ、蓮ニ君。


「名無しが悪い」
「私の言葉を真に受ける蓮ニ君もどうかと思うよ」
「…うるさい」
「ごめんね。怒ってる?」
「怒ってる、と言いたいがもう怒ってない。というかもうどうでもいい」
「あは。ごめんって」


むにーっと私の頬を抓りながら怒って無いなんて言う蓮ニ君だが、行動が怒ってるから説得力無いよ。ていうか、痛い痛い!


「ちぎれてしまえ」
「もういいって言ったのに」
「意地悪な俺がみたいって言ったのは誰だっけ?」
「私です。ごめんなさい、撤回するから元の優しい蓮ニ君に戻って下さいよ」
「聞こえないな」


嘘だ。絶対聞こえてる。蓮ニ君、耳良いだろ。

仕方無いので蓮ニ君の耳元で囁いた。


私の大好きな優しい優しい蓮ニに戻って欲しいな


(蓮ニ君、耳真っ赤)
(…急に呼び捨てにするな)


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お題、確かに恋だった様より


2011/01/31 蓮二君好きすぎて生きるのつらい。




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