一歩



「ジローちゃん、小学校の先生やってるんだって?」
「うん」
「凄いねぇ〜」
「別に凄く無いC」
「えー、そうかなぁ」


そうだよー、と彼は丸付けを始める。体育の先生になりたがっていた彼は何故か家庭科の先生になってしまったと笑っていた。その時私は、科目どうこうは別としてジローちゃんが先生になったと言う事に対して凄く驚いていた。


「あのジローちゃんが先生かぁ…」
「あのってなんだC」


不満げな顔をして私を見上げるジローちゃんは私の知っているジローちゃんなのに、その丸付けをしている姿はまるで学校の先生だった。いや、学校の先生だけど、全くと言って良い程に先生のジローちゃんが想像出来ないのだ。


「みんな変わるんだねー…」
「そうだねー」
「私だけ変わってないなー…」
「…じゃ、何か始めれば?」
「何かって例えば?」
「んー…俺の奥さんとか?」



一歩踏み出して変わる



(いいの?)
(いいCー)



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2011/10/02 ジローとかサラッと言うイメージ…。




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