さよなら恋心



日吉君は嘘つきだ。
私が日吉に先生になってほしくないこと知ってる癖に、彼は先生になった。ならないと、なるつもりは無いとあれだけ言っていたのに。


「苗字、いい加減授業に出ないと出席足りなくなるぞ」
「……………」
「苗字、聞いてるのか。」
「……………」
「名無し、」
「何、っ」


名前を呼ばれ思わず返事をしてしまう。私の小さな抵抗はあっという間に終わってしまった。


「やっと口聞いてくれたな」
「……………」
「そんなに俺が先生なのが気に入らないのか?」


そうだよ、わかってるじゃん。ちゃんと私のことわかってるクセに、どうして先生なんかになったの。


「…追いつかなきゃ行けない人がいるんだ」
「そんなの聞いてないよ」
「…当たり前だ。言って無いからな」
「知らない。聞きたくない。」
「名無し」
「もう良いです、これから授業はちゃんと受けます。それで問題無いでしょう」


聞きたくない。知らないなんて言ったけど、本当は分かっていた。私の姉に恋をして、同じ職業につこうとする彼。そしてそんな姉と結婚する事を話したがっていると言う事。



そんな話は聞きたくない。



(もう止めて)



----------------------


2011/09/24 お姉ちゃんもひよも好きだけど結婚なんてして欲しくない。そんな感じ。




back top 



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -