卒業したら



放課後、学級委員の吉田くんの変わりに窓締めをやってあげていると見回りに来たのか忍足先生に会った。なんやかんやでいつの間にか話し込んでしまい、気付いたら既に時刻は最終下校時間近くなっていた。階段を下りて行きながら、ずっと不思議に思っていたことを質問をする。


「忍足先生」
「んー?」
「先生ってなんで先生やってんの?」
「子供好きやねん」
「嘘付け」
「嘘ちゃいますー」
「絶対嘘だ」


あんなーと呆れたように溜め息を吐き出して私の方へ向き直る先生。その顔には呆れと疲れが表れていた。


「ほんまに好きやなかったら辞めてるで」
「ロリコン教師」
「自分な…」
「ロリコンじゃん、この間だって一組の中川さんといちゃいちゃしてたし」
「してませんー」


してたってば。若くて格好いい先生の忍足先生は生徒から人気だ。だから、女の子が黙っていない。そんな様子をじっと見るだけしか出来ない私はもどかしくて、苦しくて。


「やきもち妬いとる?」
「妬いてない」
「可愛いー」
「違うってば!!」


思っていたことを言い当てられてしまった私はムキになって言い返す。こんな言い方したら逆に肯定しているような物。そう思うのにそんな言い方をしてしまう私は、それに気付いて欲しいとどこかで思っているのだろうか。


「苗字は後少しで卒業やんな?」
「…だから?」
「卒業したら生徒や無くなるんやな、って思てな?」
「…うん」
「せやから、あー、何や…」


あーとかうーとか言いながら段々赤くなっていく顔に少しずつ私の期待が膨らんでゆく。もし、その先の言葉が私の期待通りの言葉ならば、



その先は卒業した後で


(同じくらい赤い顔して)
(先生に言う)



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2011/09/20 おったりが好きです。




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