大好きを込めながら



※成人設定



今日久々に友人と飲みに行くから晩ご飯いらないよ。後、遅くなるかもだから先寝ちゃって。

そんなメールが来たのが18時頃。丁度そろそろ晩ご飯を作り始めようかな、と考えていたところにメールが来たので精市くんの分を作っちゃったじゃない!なんて事にはならなくてすんだ。でもここ二年位精市くんと一緒に過ごして来てたから一人になるのは久々かもしれない。精市くんはお酒弱いからあんまり飲みに行ったりしないし、私もお酒はあまり好きな方では無いし当然強くも無い。それにお互いに2人で居たいと思ってるのか何をするにも最近はずっと一緒だった。
なんか悲しいな、一人でご飯って。私も精市くんもご飯の時はあんまりお喋りする方じゃないけど、それでも誰かと食べるって事だけで楽しかった。相手が精市くんなら尚更、例え黙々と食べているだけでも幸せだ。

そういえば友人と会う、って誰とだろう?お酒の弱い精市くんが飲みに行くなんて珍しいからちょっと気になっちゃうな。
ボーっと考えながら一人食事を終えて食洗機かけてお風呂に入ってリビングでゆっくりとしていたらいつの間にかもう10時だ。ヤバい!金曜ロードショー始まっちゃう!あ、そういえばこれ、精市くんが楽しみにしていたやつじゃないか。録画しといてあげよう。それでその時私も一緒に見ようかな。きっと一人で見るより精市くんと二人で見る方が楽しいだろうし。
と、録画予約をし終えたと同時にインターフォンがなった。誰だろ、精市くんかな?…いや、精市くんだったら普通に入って来るか。なんて自問自答をしながら玄関モニターを見れば、そこに立っていたのは見覚えのある2人の男の人だった。片方は精市くんをおんぶしている。私は慌てて玄関に出ると二人はホッとしたような表情を見せた。


「びっくりした、飲みに行くって真田と柳だったんだ」
「あぁ。久しぶりだな、と話したいこともあるんだがそれはまた今度にしよう。精市がぐずるからな」
「全く23にもなってぐずるなんて、たるんどるぞ精市」


二人の相変わらずな会話に思わず笑みが零れてしまった。精市くんをベッドまで運んで貰った後、ゆっくりしてく?と聞いたが二人とももう帰らないと行けないらしい。


「ごめんね、わざわざ運んで来て貰っちゃって」
「構わないさ。こっちこそろくに話も出来なくてすまない」
「まぁ、また今度ゆっくり話そうよ」
「うむ、そうだな。それでは失礼する」


二人を見送った後、精市くんがふと私の名前を呼んだ気がして寝室に向かえば、精市くんがベットの上に座っていた。


「精市くん、おかえり」
「…ただいまぁ」
「…凄く酔ってるね」
「そぉー?」
「うん、少なくともいつもの精市くんじゃないよ」
「んー…、わかんないよー、難しい」


難しい事は言ってないと思うけどなぁ。なんて喉まで出かかった言葉を飲み込んで寝るように促せば私も一緒に寝るように言ってきた。言われなくとも一緒に寝るのにね。


「精市くん、お酒入ると甘えん坊だね」
「…そんな事ないもん」


拗ねたよう頬袋に空気を溜めて言う精市くんが可愛くて思わず可愛いと言ってしまった。益々機嫌を損ねてしまったのか私を抱き締めてきた。このまま寝るの、ちょっと苦しくて苦手なのに。そう言えば精市くんは意地悪な笑みを浮かべ、知ってる。なんて言うから今度は私が頬袋を膨らます。負けじと私は精市くんにぎゅーっと抱き付いて精市くんも息苦しくしてあげようと試みるも効果は0のようで、私の大好きな、あの優しい微笑みを浮かべながら額にキスを落としてからおやすみ、と言って寝息を立て寝てしまった。

お酒の匂いを纏わせてる精市くんはあんまり好きじゃ無いけど、こんな可愛い精市くんが見れるなら、ありかもしれない。
精市くんと同じように額にキスをしてから、


おやすみを言って瞳を閉じた。


(でも意地悪はしないで?)
(…なんて無理か。)


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企画、追求様へ提出


2011/04/01 意外性を狙って見ました。こんなゆっきーどうですか。




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