不覚にも



財前光。クールで格好良くて運動神経抜群で女子の人気を締めているテニス部の男子生徒。顧問のオサムちゃん曰わく天才らしい。…ついでに私の幼なじみ。……ちゅーか誰やねん、コレ。あいつが天才?んな訳あらへん。あいつは只のオタクや!大体クールで格好良くて運動神経抜群ってなんやねん。クールっちゅーんもちゃうで?あれはただ感情を表に出すんが下手くそなだけや!ちょーっと顔が整ってて運動神経がええからって調子にのんなや!人がせっかく遊びに来てるっちゅーのに朝からパソコン弄って…!もう昼前やっちゅーの!!自分が遊びに来い言うたんやろ!このオタクが!!こんな男のどこがええねん!みんな騙されとる!


「……うるさいわ。もう少し静かにしろアホ」
「はぁ!?お前自分で遊びに来い言うといて何言うてんの!?どーゆー神経してん!?」
「こーゆー神経やけど?」
「憎たらしい…ちょーっと女子にモテるからっていい気になんなや!!」


ああ言えばこう言うと言った風に言い返してくる幼なじみを人差し指で指しながら言うとったら私の事を心底ウザイっちゅー目で見やがった。
ウザイんはどっちや!!


「別にいい気になんてなって無いっちゅー話しや」
「けっ、謙也君のモノマネすんなや!!謙也君が汚れる!」


仕舞いには鼻で笑いながら私の片思い中の謙也君のへったくそなモノマネをした。なんなんこいつ。ムカつくんやけど。一氏先輩に弟子入りしてこいや!!
なんていったら誰が好き好んであんなキモイ先輩に弟子入りするかって言われた。自分もうちょっと先輩敬った方がええんちゃう…?


「……ちゅうか何?お前まだ謙也さんに片思いしてん?」
「…だったらなんや」
「………別に。悪趣味やなって思っただけや」
「なっ!?」


悪趣味って…!私の趣味は百歩譲って認めてやったとしてもそれ謙也君に失礼や!!大体なんやねん…いきなりテンション下げよって。言いたいことあんのやったらハッキリ言えや。
そう言えば光は立ち上がりテニスをしている時のような真剣そのものと言った表情をして、私と向き合った。


「……じゃあ言うけど、自分ムカつくねん。謙也さんの事、一々俺に言う意味分からへんし。俺の気持ち分かって言うとるん?こっちはお前の事初対面から好きやねん。気付けやアホ。そんで中学になってこっちが告白しよ思ったら謙也さんが好き?そりゃ冷たくもなるわ。そんで冷たくしたら泣きそうな顔するわ、女子に人気やって焼き餅妬くわ、なんやねんお前。俺が好きなんか謙也さんが好きなんかはっきりしろや」


言い終わった後、…好きやアホ、って照れたように視線を逸らす幼なじみに


不覚にもトキメキました。


(どないしよ、)
(なんか気持ち揺れてるかも)


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企画、君のとなり様へ提出。


2011/03/29 財前くん格好良すぎて息が苦しい








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