R指定



昔から気になっていたことがある。テレビの映画の宣伝に使われるR指定とは果たしてなんぞや。R、R、R………なんの略だろう、R。ていうか指定して何になるんだ?R指定って何?Rって何?どういう事?誰か私に分かり易くかつ、納得できる説明をして!


「明らかに俺の方を見て言っているが、答えなくて良いか?」

「蓮二君のいけずー」

「大体、何となく分かるだろう、意味なんて」

「蓮二君にしては珍しく投げやりな回答だね」

「質問が質問なだけにな」


そう言って蓮二君は先程から読んでいる難しい本を再び読み始めた。くそう。私がこんなに頼み込んでいるって言うのにこの参謀は!ばーかばーかばーか!むっつり2号!変態!


「名無しが俺の悪口を心の内で言っている確率94%」

「高っ!!当たってるけど」

「…やはり思っていたのか」


はぁ、なんて思い溜め息を付いている蓮二君だけど、溜め息付きたいのはこっちなんだよ。ねぇ、分かってる?知りたいけど知れないジレンマと闘ってるんですよ、私。


「……そんなに知りたいのか?」

「気になるじゃん。分からない事って」


ね、どーゆう意味?とせがんでみれば仕方ないな、と本をパタンと閉じて机に置いた蓮二君。どうやら私の粘りに負けたようだ。へへん。どうだ、参ったか。なんて言う私を無視して蓮二君はこちらに向けてとんでもない事を言った。


「後悔するなよ。途中で止めないからな」


急な事にどう言うことか分からなかったが、何となく雰囲気から察した。蓮二君の怪しいオーラと意地の悪い笑みが近づいて来るに連れて私は何かとんでもない彼のスイッチを入れてしまったのかと今更ながら思った。R指定って言うのはな、こういう事だ。なんて言いながら彼の手が私の服の中に侵入して来て、ちょ、待って蓮二君。え、マジで?て言うかそれ絶対違う気がするんだけど。結局蓮二君もR指定の意味分かんないんじゃない?ね、誤魔化そうとしてるでしょ?そうなんでしょ?なんてわざと雰囲気を壊してみる。案の定蓮二君の手は止まった。それから一つ溜め息をついた後、いつものように説明をしてくれた。何か蓮二君がいれば辞書とか要らない気がして来るんだけど。私だけじゃないよね、この気持ちは。


「R指定、元はrating system。映画鑑賞の際にその映画を見ることが出来る年齢制限の枠、及びその規定の事だ」

「レ…システム?えーと、それがホントの意味?」

「本当も何も、俺は嘘をついた覚えはないぞ?」


まぁ、さっきのもあながち間違いじゃあ無いような気がしないでも無い、って何ちゃっかり人の服の間に手を忍ばせちゃってんのかな?蓮二君?


「止めるつもりは無いと最初に言っただろう?」


そんな事言われたような言われてないような。ってなんかもうそういう雰囲気になってる?まぁいいか。意味も解ったし私は上機嫌だから。蓮二君のわがままだって聞いちゃうよ。うん。


R指定


(蓮二指定って意味だったら万年R指定だね、私)
(…意味が分からないんだが)
(いつもなくちゃダメって事だよ)
(…まぁ、いいか)


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お題、hakusei様


2011/03/14 主人公が電波さんになった…。






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