呼び名討論会



「ユウジ」

「んー?」


練習が終わり、帰り支度をしている所にマネージャーの苗字がやってきた。なんやねん、そない息切らして。そういうと彼女は呼吸を整えながら俺の名前を呼ぶ。アレ、こいつ俺の事名前で呼んどったっけ?なんてボンヤリ考えながら適当に返事をする。俺の生半可の返事に怒るでもなく彼女は走ってきたのかほんのりと赤くなった顔を更に赤くさせ俺と向かい合う様に立った。


「なんであたしの事、名前で呼ばんの?」

「…は?」


予期せぬ事を言われたせいで思わず気の抜けたようなそんな声が出てしまった。思考回路はショート寸前。あ、なんかそんな歌あったな。ってちゃうやろ。今、こいつは何を言うた?聞き間違えか?いや、んな事あらへんよな。こんな至近距離で、聞き間違えなんてありえへんもんな。じゃあいきなりなんや?そう質問を投げかけると焦ったように彼女は話し出した。


「い…いきなりやないで?前からずっと思っとってんけど、その、タイミングっちゅーか、なんか、な?」

「いや、同意を求められても」


とツッコミを入れると笑って彼女はせやね、と目線を逸らしながらあーとかうーとか言った後、気まずそうにしながら、…駄目?と首を傾げてさっきの質問に対して答えを求めて来た。ちゅーか、身長差で上目使いになってんのがなんか、アレやねんけど。なんやこれ、なんか心臓五月蝿いんやけど、どないしてんねん。


「…っ…別に駄目やない、けど?」


なんて言えばほんま?て首傾げる彼女。そんな仕草にもともと五月蝿かった心臓がもっと五月蝿くなったように感じられた。ホンマ、小春以外にドキドキしてるなんてどないなってんねん俺。ちゅーか、こいつこんなアレやったっけ?もっとぱっとしない感じとちゃう?いや、俺が見てなかっただけで元々こんなんやったんか?
なんて、ぐるぐると考えを巡らせていると再び彼女がせやったら、と言葉を続けた。


「いいいい一回、呼んでみて貰えないでしょうか?」


あかん。もうあかん。なんやこれ、もうなんやこれ。なんかの罰ゲームか。心臓破裂しそうなんやけど。あかんって、これ。しかも何俺余裕ブっこいて別ににええけど、なんて言うてんの。アホやないか俺、もう死にそうな位心臓バクバク言わせてるくせに。ちゅーか、こいつさっきからどもってんのなんかアレなんやけど。


「はよ、呼んで、や」


あかん、もう。ノックアウトされそう。なんやお前、さっきから


可愛すぎやねん


(名無し)
(う、うん)
(俺、)
(はー疲れた…って何やってん?二人して真っ赤になって)
(し、白石?!)
((…俺、今何言おうとしてたんやろか))


----------------------


お題、はちみつトースト様


2011/03/08 関西弁無理なんだけど。




back top 



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -