歩幅



今日、気付いた事がある。
私は今まであんまり気を付けてなかったし、当たり前のことだと思ってた。(別に気にしなくても困って無かったって言うのもあるんだけど。)

気がつくきっかけになったのは、真田君と歩いていた時だ。彼は意外とせっかちなのか委員会の報告に行く時、急ぎでもないのに彼は妙に早足で職員室まで向かって行った。何故そんなに急いで行くのかと彼に聞いてみた。すると彼は驚いたように目を見開いていた。(何だというのだろうか。)


「俺はそんなに早足で歩いていたか?」
「私の見る限りではだいぶ早かったよ。」
「そうか…。それはすまなかった。」


いや、平気だけどさ、なんか気になったから聞いてみただけ。
そんな風に言うと彼はもう一度だけすまない、と謝ってきた。
…本当に気になったから聞いてみただけなんだけどな。


「普段と変わらない速さで歩いていただけなんだが、気付かないうちに焦ってしまったのかもしれんな。」
「真田君、いつもと変わらない早さだったの?」
「?、あぁ、そのつもりだったが…?」


…もしかして真田君って歩幅広いのかな。蓮二とは脚の長さそんなに変わらないような気がするけど。
呆然とそんな事を考えているうちに最終下校時刻になってしまった。
真田君は駅まで送ると言ってくれたが、私には蓮二という素敵な彼氏さんがいるので結構です。と言ったら、相変わらずの仲だな、と苦笑いされてしまった。真田君が教室から出て行って直ぐに愛しのダーリンが登場した。なんて、さりげなくダーリンなんて言ってみたけど恥ずかしかったから蓮二には絶対言わないでおこう。


「すまない、待ったか?」
「ぜーんぜん。ていうか、分かってたでしょ?私が待ってない事なんて」
「まぁな。委員会が終わる時間は既に把握しているし、お前がここに急いで来る事は計算済みだ」


ですよねー、と言って鞄を手に持って彼の元へとかけていく。走ったら危ないだろう?と頭をコツンと叩かれてしまったが、それは蓮二の優しさ故だから私は素直にごめんね。と謝って置いた。


「…そういえば、さ」
「どうした?」
「今日真田君と歩いてたんだけどさ、」
「あぁ。」
「真田君って歩幅大きいんだね」


蓮二はよく分からないと言ったような顔をしているが、私はそのまま話続ける


「でも真田君って蓮二とそんなに足の長さ変わらないでしょ?」
「そうかもしれないな」
「…でもさ、こうやって並んで歩いてるとね、全然違うんだ」
「……なるほどな」


ようやく意味が分かったのか彼はニヤリと笑った。怪しいよ、蓮二。


「それは悪かった」
「……」
「で、何が言いたいんだ?」


そういって優しく言われちゃうから私はいつもそれに誘導されちゃうんだよね。もう、困ったもんだ。


合わせてくれてありがとう


(まぁ、当然だがな)
(あれ、可笑しいな。嬉しいのにムカつくー)


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お題、確かに恋だった様


2011/02/10 文才が来い!




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