それもまた

原作設定
リヴァエレ←アル
独自 
 
 
 
リヴァイさんといる時のエレンは本当に楽しそうだと思う。よく笑うしよく怒る。表情が豊かで、幸せそうだな、とも思う。彼が幸せならそれでいいけれど、ときどき嫉妬に身を灼かれそうになることもある。リヴァイさんがいなくなれば僕を見てくれるだろうか。そうなっても彼は僕ではない誰かを求めるのだろう。今のように。そのたび嫉妬に身を灼くのだ。  
恋人。その言葉は、二人にとってはかけがえのない重さを持っているのだろう。僕なんかでは推し量れないような重さを。二人の世界には二人しかいない。僕など小石ほどの存在もない。エレンは心配してくれたりだとかいろいろ気をつかってくれるけれどそのたびにリヴァイさんに疎ましい目つきで見られるのは嫌だなあと思う。彼は、エレンが誰かに話しかけるたびに嫉妬しているようだ。団長に対しては露骨に出せないみたいだけどときどき出してしまっている。彼の内に秘められた狂気に気づかないエレンはいつもそうやって引っ掻き回しているのだろう。
エレンにとっては初めての恋人だ。僕の恋心もミカサの恋心も知らないでいる。知らない方がいい。知ってしまえば困惑するだろう。それは嫌だ。僕は彼の幸せを誰よりも願っているし、彼が幸せになることが僕にとっても幸せなのだ。誰であっても彼の幸せを壊すことは許さない。僕もまたそうやって内に狂気を秘めている。
 
ときどき昔のことを思い出す。あの事件から何年も昔のことだ。僕らが小さい頃かわした約束を、不意に思い出すことがある。エレンはいつもの輝いた笑顔で僕にこう言う。「アルミンはずっと俺の親友だよな?」確かめるような口ぶりがとても心配で、安心させたくて「当たり前じゃないか」僕はそう言ったんだ。君はそれを信じてる。今もずっと。死ぬまでずっと。ときどき嫉妬でどうしようもなくなるけれど、いいんだ。僕は君が幸せならば構わない。いつまでも幸せであってほしい。エレンの幸せを邪魔するのなら馬より先に僕が蹴ってやる。エレンを傷付けるなら僕はそいつを許さない。たとえエレンが僕を親友としか見ていなくても。好きになってくれなくても。僕はいつまでもかわらず好きでいるから。
 
報われないと馬鹿にされても構わない。ただ、エレンの世界に小石ほどでも僕がいればそれが僕にとっての幸せだなと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リヴァエレ←アル…?のつもり
自己犠牲にもほどがある 




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