どうしても欲しい

向こうの世界でバレンタインがあるのかわからないので現パロ 
 
 
 
 
今日はバレンタインデーだ。世間一般では女が男にチョコレートを渡す日。まあ最近の流行りでは逆チョコなどというものもあるがそれは俺の場合適用されない。俺は永遠にもらう側だ。
 
そんな俺がエレンと付き合ってから初めてのバレンタインだ。きっとエレンは失敗しながら作ったことだろう。全く可愛いやつめ。
 
「あ、あの、リヴァイ先輩…その、先輩のために作ったんですけど、形悪いしあんまりおいしくないかもしれないんですけど…いいですか…?」
 
なんて照れながら言うのだろう。ハハッ、やはりエレンは可愛い。俺の目は間違ってない。エレンからもらえるチョコレートを期待しながら学校へと向かう。楽しみでならない。エレン、受け取る準備はできている。いつでもこい!
 
 
※   ※   ※
 
 
なんて言ってたのはいつ頃だっただろう。もう昼休みをすぎて本日最後の授業の真っ最中である。エレンはいつになったら来るんだ?それとも人前では渡しにくいのか?…そうか、放課後だな。帰り道、誰もいないときを見計らって渡すつもりなんだな。男同士だから人前では渡せないなんてそんな一般常識など無視してしまえばいいのに。純粋なやつだ。エレンは可愛すぎるな、少し。可愛すぎて周りの虫を潰していかねばならん。この俺に嫉妬させるなんて、エレンは見かけによらず小悪魔なんだな。…大丈夫だ、放課後まで待っているぞ。迎えに行くからな。    
 
「リヴァイ、ここの問題を解け」
 
仕方が無いので前に出て答えを書く。こんなことをしている暇があったらエレンとキャッキャウフフしたいものだ。学校など邪魔でしかない。
 
 
 
 
 
「ねえエレン、リヴァイさん来てるよ!起きて!」
 
「・・・えっ?!マジ?!」   
 
寝ているエレンも可愛かった。何をしていても天使だ。エレンの幼馴染らしい人物が揺り起こす。それにびっくりして飛び起き、俺を確認するなり慌てて鞄に荷物を詰め込んで走ってくる。  
待たせてすいません、と言ってくるが気になどしていない旨を伝えるとよかったと安堵の息を漏らしている。しかしそんなに鞄の中に詰め込んで大丈夫だったのか。チョコレートが崩れてしまうのではないか。そんなことを悶々と考えていたら話しかけていたらしいエレンが大声で俺の名前を呼ぶ。  
 
「ど、どうした」
 
「どうしたじゃありませんよ!ずっと上の空だからどうかしたのかなって…何かあったんなら、俺と一緒に帰らなくても大丈夫なんですよ?」
 
「いや、何もない!お前はそんな心配をしなくていい」
 
ちょっと冷たすぎただろうか。いやしかし、ここで強く否定しなければチョコレートをもらえない。すまないエレン、これも仕方のないことだ。エレンの手作りチョコレートのために。それにしてもいつまで引っ張るんだエレンは!いい加減待ちきれないぞ!そう思いながら染み付いた仏頂面のまま、思い切ってエレンに聞いてみる。  
 
「エレン、今日が何の日か知ってるか」
 
「今日、ですか?えー…っと、あ!もしかして」
 
そうだそのもしかしてだ。こっちはもう待ちきれないぞ。早くください。
 
「バレンタイン、ですか?」
 
その問いに強く頷く。すると次の瞬間、エレンが衝撃の発言をした。  
 
「あー、もしかして…ほしかった、ですか?俺たち男同士だからいいかなーと思ってなにも用意してないんですけど」
 
なんなら今から一緒に買いに行きますか?
 
そのエレンの言葉があまりにも衝撃的だった。男同士だから、いいかな?だと?!よくない!いいわけあるか!普通彼氏には用意するものだろう!何故だ、何故なんだ!どうしてなんだ!いくら天使とはいえそこは、そこは譲れないぞ…!!  
 
「ふざけんな!」
 
そう言って思わず叫ぶ。珍しいこともあるもんだ。エレンに叫ぶことなど一生ないと思っていたが。いやこれはエレンが悪い。妻としての責務を果たすべきだ!  
 
「エレン」
 
「は、はい?!」
 
「許さねえからな。覚えとけ、今日はお仕置きフルコースだ」
 
「えっ…!」
 
「異論は認めん。テメーが悪い」
 
 
逃げようとするエレンの首根っこを掴む。俺の家まで引きずっていくか。そのうち諦めるのだろう、エレンはそういうところで賢い。今夜は、寝かさない。
 
 
 
 
 
 
 
タイキックは難しかった。エレン溺愛兵長がタイキックなんかできるわけがなかった。原作のドSっぷりが全くない!偽物兵長! 
エレンはそういうとこ妙にサバサバしてそうな感じはしますけどね。ねむりちゃんにネタいただきました。バレンタイン小説。イベント小説は難しいです〜へとへと。
このあとのお仕置きフルコースは想像にお任せします。ええ、そこはお任せします。 

2012/02/14




back|top


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -