午後の授業なんて寝るしかない。
しかも古典の授業だ。これはもう寝るしかない。そう自分に言い聞かせて寝る体制に入った。

「ちょっと、火神くん」

すると後ろからシャーペンの先でつつかれる。痛い痛い、何気に痛いからヤメロそれ。

「始まってまだ5分も経ってませんよ。何寝る気十分になってるんですか」

「いやホラ…古典だし」

「意味が分かりません。というか古典以外でも寝てるじゃないですか」

火神くんの成績が悪かったら僕がカントクにどやされるんですからね、と言う黒子。オレだって起きときたいとは思う。だが眠いものは眠いんだ。そして古典だからなお悪いんだ。

「そんなに言うならこの眠気をどうにかしてくれってんだよ」

「コラー火神後ろ向くなー」

あっ、何でオレだけ。
仕方なく前に向き直って、ノートをとってるふりをする。実際は右端にバスケットボールに目と口を描いて「だアホー」と言わせている。メガネを書き足して、おお、これはなかなか傑作だ。なかなかキャプテンに近いだろコレ。あとで黒子に見せてやろ。あー、また眠気来た。もうダメだなこれは。キャプテン似のバスケットボールを描いてもう眠くなってきたやっぱ寝よ。

すると後ろからまた、つん、という感覚。悪いけど今めちゃくちゃ眠いんだよ。オレはこの古典の時間寝ると決めたんだ黒子。起こしてくれるな。

そう思ってシカトしてると、背中に文字を書き出した。何だよ、こそばゆいって。何気に痛いんだって。ていうかお前それ、芯出てねーだろうな。



“ す き ”



その途端一気に眠気が覚めてガタタン!と盛大な音を立ててしまったため、当てられてしまった。


頭から真っ二つ!
(だから何でオレだけなんだよ!ミスディレんな!)
(火神くん顔真っ赤ですよ)








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