8月が終わると、もう夏は終わったんだなって気持ちになる。

「あー、8月31日にはあんまいい思い出ねえな」

「夏休みの最終日っスからねー」

青峰っちはやっぱりというか何というか、最終日まで宿題を溜め込んでしまうタイプだったらしい(今もだけど)。
暑い日はまだまだ続くんだろうけど、いきなり夕立が降り始めたりするんだろうけど。勝手な事己解釈としては今日で夏は終わりなのだ。

「明日から学校とかだりーな」

「ていうか青峰っち!さっきから聞いてるんスけど何で話逸らしてんスか」

青峰っちがいい思い出がないと語る8月31日は彼の誕生日だったりする。だから、誕生日プレゼント何がいいかって聞いてるのに曖昧な返事をして話を逸らすのだ。横暴な青峰っちなら無理だろってものでも催促してくるかと思ったのに。

「だいぶ失礼だよなお前」

「だって珍しいっスよ」

「んー…別にいらねえよ」

「えぇー…」

個人的に嫌だ。青峰っちに何か形に残るものを渡したい。少しでも彼の誕生日の思い出の中に自分を残しておきたい。

「何でもいいっスよ?」

「何で必死なんだお前。いいって」

「オレがやだ!!」

「………」

うーん、と唸る青峰っち。半ば強引だがこれでいい。うん。

「つってもなぁ…もうオレ貰っちまったもん。お前に」

「はいっ!?」

心当たりがなさすぎる。オレ何かした?

「え、何スかそれ」

「いや、言わねー」

「は!?意味ないっスよ!!」

「いんだよオレが知ってるから!!」

「何だそれ!!」

「オラっ、次お前からだぞ」

「あ、ちょっ…また話逸らすー!!」

「うっせ!!」

Happy Birthday!

セミの鳴き声。何処かの家から聞こえてくる風鈴の音。明日から新学期。もうすぐ、夏が終わる。

(お前とバスケが出来る今、なんて言えるかバカ黄瀬)






青峰誕生日おめでとう!








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