ほら、もう寝ろ。そう言ってアサシンは私の身体に毛布をかぶせた。かぶせられた毛布から顔を出して彼の顔を見ると、アサシンは口の端だけを上げて笑顔を作る。そうして私の頭をぽん、と撫ぜてくれたが、彼の視線はすぐに宙へと向かってしまう。

 そんな彼の横顔の、なんと美しい事だろう。

 行為が終わった後のアサシンはたまにダウナーになる。甘い猫撫で声で私を呼んでいた彼が一言も発さずに頭を撫でるようになるこのギャップが堪らない。彼が時折見せるこの表情は、私しか知らないのだ。その優越感は、私を悪い女にする。

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