君と快楽は
やってくる。
Chapter01

 油小路あぶらこうじの五条を少し上がったところに島田寓と女文字でしるした一軒のしもた家があります。その裏木戸のあたりを、もう十分も前から通り過ぎたり、後戻りをしたり、そっと中の様子にきき耳をたてたり、いきなり、びっくりしたようにあたりを見回したりしている一人の男がありました。
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Chapter02

 大正十五年八月二十三日の夜でした。その晩は京都地方に特有のむしあつい晩で湿度の多い空気はおりのように重く沈澱して樹の葉一つ動きません。十一時を少しまわっているのに寒暖計はまだ八十度を降らないのです。
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Chapter03

 しかし、それは六角堂とか安産地蔵とか、今日の祭りに縁のある界隈に限られているので、五条油小路のあたりは、さすがに十一時をまわるとひっそりしたものです。ちょうど陰暦の十五夜にあたるので、厚ぼったい雲の切れ目から、時々満月が姿を見せてはまたかくれています。


>>>小説本文サンプル
長編用とのことだったので、トップにそれぞれのページは表示せずに章へのリンクにしました。Chapter0Xがリンクになります。
また、リンクの下にその章の1ページ目などの文章を3〜4行入れてみてください。説明文などでも大丈夫だと思います。

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