絶唱の谷


 キラ・ヤマトが搭乗するフリーダムがユーラシア軍を攻撃したことで、ファウンデーション宮殿内の司令室がパニックに陥っている間、クラウディアはエルドア地区で救助活動を行っていた。

『皆様、我がファウンデーション軍の誘導に従って、落ち着いて避難を!』

 クラウディアは愛機『ブラックナイトスコード ルドラ』からシールドを繰り出して、民衆をブルーコスモスの攻撃から防いでいた。と言っても、戦場はここから離れており、今のところ流れ弾が来る気配はない。シン・アスカたちが食い止めているのだろう。
 この先の作戦を思うと、クラウディアは少しばかり胸が痛んだが、すべては『母』アウラのためであり、この世界から戦争を失くし、世界を平和に導くためでもある。
 犠牲なくして、平和を手に入れることは出来ない。このまま終わらない戦争を続けるほうが、更なる犠牲が生まれるのだから。
 クラウディアはそう信じて疑わなかった。女王アウラから、そのように育てられていたからだ。



 一方、シュラをはじめとしたブラックナイツは、オルフェから声なき指示を受け取っていた。

『いいぞ、シュラ。きみの役目を果たせ』
『了解』

 頷くシュラと同時に、グリフィンとリデラードも不敵な笑みを浮かべながら意思を伝える。

『二分で片付ける!』
『キャハハハ! 死んじゃえー!』

 ブラックナイトスコード三機が一気に加速する。行き先は、先程までユーラシア軍を攻撃していたフリーダム――キラ・ヤマトの元であった。

 同時に、キラのコクピットに危険を知らせるアラームが鳴り響く。モニター越しにブラックナイツの襲来を確認したキラは我に返った。

「ブラックナイツ?」

 だが、キラが現状を認識するよりも先に、突如現れたブラックナイトスコードからレーザーでロックオンされる。咄嗟に回避しようとするも、突然の奇襲に思考が追い付かず、瞬く間に武器を破壊されてしまった。

「やめろ! なんで……」

 キラはフリーダムを着地させ、なんとか攻撃を耐えながら声を荒げた。ファウンデーション軍との合同作戦だというのに、何故こんなことが起こっているのか。ミケールを追い掛けていたはずなのに。

『なんで? 周りを見てみな!』

 通信ではない。キラの頭の中に直接声が響く。
 訳が分からないまま、キラは言われるがままに周囲を見回すと、信じられない光景が広がっていた。
 キラにとってはここはエルドア地区の砦跡で、ブルーコスモスと戦っていたはずだった。砦跡からひとり逃亡するミケールを捕まえるために、フリーダムを走らせていた。
 そのはずが、今キラの目の前に広がっているのはブルーコスモスではなく、ユーラシア軍のモビルスーツの残骸だった。

「……どういうことだ?」
『お前を殺す!』

 恐らくはブラックナイトスコードの搭乗者から放たれているであろう声に、キラは愕然とした。これではまるで、自分がユーラシア軍を殲滅し、ファウンデーションが己を反逆者として始末しに来たとしか思えないからだ。

『ごめんねーっ! ラクス姫は、もうアンタいらないってさぁ!』

 続けて頭に直接響いた女の声に、キラはそれ以上、何も考えられなくなった。
 先の宴で、ラクスがオルフェとふたりきりで過ごしていたこと。そして、ラクスが己を攻撃するようオルフェに懇願したこと。それらが一気にキラの心を襲う。何が起こっているのか考えたくもなかったし、現実を認めたくもなかった。



 その頃、ブラックナイツのリューとダニエルは、シュラたちとは別行動を取っていた。国境線近くに待機していたユーラシア軍を軒並み始末していたのだ。
 兵士の脳内にあったパスワードを読み取ったあと、迅速に殺し、そしてユーラシアのシステムに打ち込んでいく。恙なくログインした後は、目標地点とタイマーを設定する。
 これで間もなく、ファウンデーション首都イシュタリアに、『ユーラシア軍の手によって』核ミサイルが発射される。
 リューとダニエルはあっさりと目標を達成すれば、共に愛機に乗り込んで颯爽とこの場を後にしたのだった。



『――クラウディア、頃合いだ』

 避難誘導を続けるクラウディアの元に、シュラから声なき声が届く。恐らくリューとダニエルが上手くやってくれたのだろうと察し、クラウディアは頷いた。

『分かった。すぐ行く』
『君が来る頃には、フリーダムは片付いているはずだ』
『もしかして、戦闘中?』
『ああ、グリフィンとリデルが遊んでいるところだよ』

 クラウディアはシュラの返答に苦笑してしまった。今頃キラ・ヤマトはグリフィンの精神干渉が解けて、自分が何を仕出かしたのか分からずさぞ混乱しているだろう。そんな中でふたりが『お遊び』でフリーダムを破壊するのは気の毒にも思えるが、先日の手合わせであんな甘い態度を取っていたのだから、こうなるのは想定範囲内と言うべきか。
 だが、油断は禁物だとクラウディアは気を引き締めた。まだシン・アスカとムウ・ラ・フラガがいる。特にムウは初めからブラックナイツのことを疑ってかかっていた。万が一生存されたら、面倒なことになりそうだと、クラウディアは念には念をとシュラに伝える。

『まだジャスティスとムラサメが残ってるよね。気を付けて』
『心配無用だ、私たちが負けるはずがないだろう?』
『……確かに』

 寧ろ心配するほうが失礼であったと、クラウディアは笑みを零せば、ルドラを発進させた。
 そして、ふと忘れていたことに気付く。
 戦場に出ていたアグネス・ギーベンラートは、今どうしているのだろう、と。
 シュラも気まぐれでアグネスに優しくしたわけではないだろうし、もし仲間に引き入れるつもりなら、先回りして彼女に接触すべきか。
 クラウディアはひとまずアグネスを探そうと、モニターで彼女の搭乗するギャンを捕捉し、ルドラを加速させたのだった。



 ブルーコスモスと戦闘を続けていたアグネスの元へ辿り着いたクラウディアは、周囲の敵をレーザーで攻撃すれば、彼女に通信で声を掛けた。

「アグネス・ギーベンラート。支援します」
『その声……クラウディア!』
「アグネスひとりなの? 仲間は?」
『知らない。勝手にどっか行っちゃって……まあ、私ひとりで充分だけど!』

 アグネスはブルーコスモスのモビルスーツから放たれる攻撃を躱して、背後から攻撃を放って撃ち落とした。その隙に、クラウディアはアグネスの精神に触れ、思考を読み取る。

 ――なんで皆、私の実力を認めてくれないの!?
 ――この私より、戦う力もない女を選ぶなんて、許さない!
 ――私を正当に評価してくれる人と、一緒に居られたら……。

 クラウディアはアグネスの強欲な心から、先日の宴で何が起こったのかを改めて察した。
 アグネスは己たちアコードのような完璧な存在ではないが、少なくとも敵対する気はないはずだ。
 なにせ、キラ・ヤマトにとてつもない憎悪を抱いているのだ。ラクス・クラインを侮辱していることに何も思わないわけではないが、今はアグネスを利用しない手はない。シュラもそれを知って彼女に接触したのだろうか。
 どちらにせよ、クラウディアが今為すべきことはこの瞬間、確定した。

「『月光のワルキューレ』、アグネス・ギーベンラート」
『な、なによ、改まって……』
「緊急事態が発生した。キラ・ヤマトが戦線離脱してユーラシア軍を攻撃したせいで、作戦は滅茶苦茶になってる」
『はあ!? どういうことよ! 説明して!』

 アグネスは何も知らないようだ。なにせ、こちら側でミレニアムとアークエンジェル両方に電波干渉を行い、連絡が取れないようにしているから当然といえば当然なのだが。
 クラウディアは改めてモニターで戦況を把握する。やはりシンとムウはキラの元へ向かったようだ。更にはヒルダ・ハーケンまで彼らの後を追っている。
 それにしても、アグネスに何の説明もしないなど、これでは仲間とは言えない。クラウディアはアグネスを気の毒に思い、それと同時に、彼女を仲間に引き入れるのは容易いと微笑んだ。

「キラ・ヤマトの侵略行為により、我々ファウンデーション軍の任務は、人命救助からコンパスの殲滅へと変わった」
『なっ……! ちょっと、私、本当に何も知らない……!』
「分かってる」

 いつの間にか自身が殲滅対象となっていることに、冗談じゃないと愕然とするアグネスに、クラウディアは淡々と、けれど優しい声色で告げた。

「アグネス・ギーベンラート。あなたに協力を求めたい。我々の上官、シュラ・サーペンタインが実力を認めたあなたなら……私たちは手を取り合えると信じている」

 クラウディアの言葉は、アグネスを陥落させるには充分すぎるほどであった。

『……クラウディア、あなたに協力するわ。馬鹿な上官の落とし前は、私が付ける!』



 シンとムウは、キラの異変だけでなく、この作戦自体が最早続行出来ないほど大変なことが起こっていると気付き、戦線離脱してキラの元へ向かっていた。ジャスティスに搭乗するシンが先にキラの元へ向かい、ムウもシンをフォローするためにムラサメを走らせる。正直、アグネスに状況を共有する余裕もないほど、事態は深刻だったのだ。

 だが、キラの元へ辿り着くより先に、二機のルドラが遮って攻撃する。ジャスティスに気付いたグリフィンとリデラードが、キラの始末をシュラに任せて駆け付けたのだ。

「邪魔をするなぁっ!」
『学習能力ねえなあ。お前如きは相手にならんと証明してやっただろうがァッ!』

 シンの脳内に男の声が響く。おかしい、と分かってはいつつも、目の前の戦いに集中しなければならない。

「シン!」

 助けに来たヒルダが援護するも、もう一機のルドラから攻撃されてしまう。

「こいつら……やっぱりか!」

 ムウは漸く、この惨事がファウンデーションによって仕組まれたものだと理解したが、既に手遅れであった。

 時を同じくして、リューとダニエルはユーラシアの領土上空を飛行していたが、運悪くアークエンジェル艦隊に目撃されてしまい、作戦を変更して『目撃者の殲滅』を行うこととした。
 それが後にファウンデーションの首を絞めることになるとは知る由もないまま、ふたりはアークエンジェルへの攻撃を開始したのだった。



 一方、ファウンデーション宮殿内の司令室では、本国からの連絡を受けたユーラシア将校が、愕然とした様子で呟いた。

「――本国からだ。ユーラシア領内から、戦術核ミサイルの発射が確認された」

 突然のことに室内が静まり返る中、ラクスが咄嗟に訊ねる。

「目標は?」
「……ここだ」

 ユーラシア将校の言葉に、ラクスは声にならない悲鳴を上げた。キラの侵略行為による報復か、あるいは誤射か。どちらにせよ、ユーラシア将校を犠牲にしてでもファウンデーションに核を落とすということだ。
 オルフェは即座に部下たちへ指示を出した。

「総員退避! 全市にも避難命令を! 可能な限り、住民は地下へ避難させる!」

 司令室内のオペレーターが即座に動き出し、一気に騒然とする中、オルフェはラクスに手を差し出した。

「どうぞ、こちらへ」
「ですが……」

 一緒に避難すべきだというオルフェに、ラクスは躊躇った。間もなく核ミサイルが落とされるというのに、逃げるなんて出来ない。だが、イングリットの呼び掛けでラクスは我に返った。

「お早く!」

 自分が決断しなければ、アウラ女王やファウンデーションの人たちも避難出来ない。そう気付き、ラクスはオルフェの手を取って、悲痛な面持ちで司令室から脱出したのだった。



 アグネスと共にシュラの元へ向かうクラウディアは、突如遠くが光り、爆発音のあと大きな雲が瞬く間に昇っていくのを視認した。
 己たちが暮らしていた、ファウンデーションの首都イシュタリアが、ユーラシアの核ミサイルによって、跡形もなく消えていく。
 その様子を見て、クラウディアとて何も思わないわけではなかった。けれど、世界を平和に導くには、犠牲は必要だ。今更引き返すことなど出来るわけがないし、そんな選択肢など、アコードたる己たちには初めからないのだと、心の中で言い聞かせた。

『何よ、あれ……何が起こってるの……』

 呆然とするアグネスに、クラウディアは現状を説明する。

「ユーラシアがイシュタリアに核ミサイルを打つと、先程司令室から連絡があった」
『そんな……ねえ、ファウンデーションの人たちは大丈夫なの!?』
「皆地下シェルターに避難しているといいけど……アウラ女王やオルフェも、無事だと祈るしかない……」

 冷静を装いつつも、不安を隠しきれないクラウディアの声に、アグネスは顔を顰めて歯ぎしりした。
 ――すべて、あの男のせいなのだ。
 キラ・ヤマトが反逆行為を行ったからだ。

「クラウディア……あなたたちの仇は、私が討つわ!!」



 アークエンジェルの艦隊を守るべく、ヒルダの部下、マーズとヘルベルトがルドラと対峙するも、彼らの機体は破壊されてしまい、艦隊はリューとダニエルによって呆気なく墜とされた。
 生存者はなし――そう思うほどの爆発が、艦隊周辺を飲み込んだ。
 それを目撃したムウは、怒りの形相でムラサメを走らせ、二機のルドラへと突進した。

「お前らアァァァッ!」

 せめて艦隊の中にいる仲間たちの脱出時間を稼ごうと、ムウは必死で二機のルドラに攻撃する。だが、心を読む力を持つアコードに勝てるわけがなく、リューとダニエルによってムラサメは腕を切り落とされ、爆発と共に落下していった。

 計画の狂いはあったものの、ひとまず任務は達成したと、リューは時間を確認して呟いた。

「タイムリミットのようですね」
『やっとか』

 例え生存者がいたとしても、さして問題はない。自分たちが直接手を下さずとも、この地は後に跡形もなく消え去るのだから。
 リューとダニエルは互いに意見が一致し、何事もなかったかのようにその場から離脱していった。



「アークエンジェルが!?」

 アークエンジェルが墜とされたのは、シンの位置からも確認出来た。咄嗟に叫ぶものの、男の声がシンの脳に響き渡る。

『よそ見してんじゃねえよ!』

 刹那、ルドラが繰り出すサーベルが、ジャスティスの胴体を真っ二つに切り落とす。

「うわぁぁっ!」

 もうこれでは戦えない。シンは咄嗟に脱出ボタンを押して、ジャスティスを捨てて上空へ飛び出した。脱出用パックで逃げようとするものの、ルドラが容赦なく襲い掛かる。シンがもう駄目だと思った瞬間。
 ヒルダの搭乗するギャンがルドラに鞭を撒き付かせ、一時的に動けなくさせた。

「掴まれ、坊主!」

 ヒルダは鞭を切り離せば、生身のシンの元へギャンを走らせて、コクピットを開いて手を差し出した。その手を掴み、シンは無事ヒルダのコクピットの中へと入り込む。
 それと同時に、シンが搭乗していたジャスティスは爆発した。少しでもヒルダの助けが遅れていれば、シンも爆発に巻き込まれていた。

「チッ」

 シンに襲い掛かったルドラの搭乗者――グリフィンは、逃げ果せるギャンを見ながら忌々しく舌打ちした。このまま後を追い掛けて始末するのは容易いが、ここから離脱する時間が近付いていた。シンが生きていようと作戦には何の支障もないだけに、そのまま見逃すことにしたのだった。



 クラウディアがアグネスと共にシュラの元に辿り着いた時、まさにシュラの操る『ブラックナイトスコード シヴァ』が、フリーダムに止めを刺すところであった。

「――そいつは私が貰う!」

 キラを葬るのは己の役目だと、アグネスは叫びながらギャンを走らせれば、フリーダムを何度も切り裂いた。シヴァの攻撃によって、既に抵抗も出来ない状態になったフリーダムは、更に腕や脚を失って、最早動かすことも不可能となった。
 無残に倒れるフリーダムのコクピットが開く。外へと晒されたキラは、アグネスを見た瞬間、何が起こったのか理解出来ず驚愕していた。

 ――私を侮辱したこの男は、私の手で仕留めてみせる。
 アグネスが生身のキラに、サーベルを振り落とそうとした瞬間。

 突如、アグネスの乗るギャンの背後に攻撃が炸裂する。
 アグネスだけでなく、シュラもクラウディアも咄嗟に周囲を見回すと、見たこともないモビルスーツがそこにいた。
 クラウディアたちのデータにないそれは、『ズゴック』と呼ばれるモビルスーツであった。ギャンに向かって立て続けに攻撃が放たれ、アグネスはシールドを展開したが、シュラが庇うように間に入り、シヴァでその攻撃を受ける。

「面白い……やる!」

 ズゴックのターゲットがシヴァへと移り、シュラはアグネスに代わって新たな乱入者と戦い始めた。
 その間、クラウディアは相手のデータを解析するも、機体は『UNKNOWN』――何処の所属かも分からなかった。ただひとつだけ言えるのは、キラ・ヤマトの協力者だということだ。咄嗟にクラウディアはキラへ精神干渉し、心を読み取ろうと試みる。

『アスラン!?』

 キラから放たれたその名前はクラウディアも知っていた。シュラが最強だと認める唯一の存在、アスラン・ザラである。
 既に気付いているかも知れないが、クラウディアはシュラへ意識を飛ばした。

『シュラ、そいつはアスラン・ザラで間違いない』
「……やはりそうか!」

 フリーダムとの戦いはあまりにも物足りなく、不完全燃焼だったシュラは、まさかこの場でアスランと戦えるとは、と高揚感に溢れていた。
 だが、最強の男を倒すというシュラの望みは叶わなかった。

『シュラ! クラウディア! 時間だよっ!』

 リデラードから声なき声が響き、シュラは軽く歯軋りした。折角の機会だが、長年計画して来た作戦を無視し、すべてを無駄にするわけにはいかない。シュラは仕方なしに、クラウディアへ告げる。

「……クラウディア、出発するぞ」
「了解」

 クラウディアは頷いたものの、アグネスをこのままにしておくわけにはいかなかった。アスラン・ザラはキラ・ヤマトを助けるためにアグネスを殺すつもりでいただろうし、何より、アグネスは今、コクピットの中で嗚咽を漏らしている。
 クラウディアの心境は、シュラとて察していた。宴のあとに泣いているアグネスを格納庫へ誘ったのも、今この場に連れて来たのもクラウディアだ。アグネスは使える存在だと、クラウディアも判断したのだろう。
 シュラは何も迷うことなく、アグネスに通信で声を掛けた。

「来るかい?」
『……行くわ、あなたと』

 涙混じりで答えるアグネスと共に、シュラとクラウディアはこのまま戦場を離脱した。リデラードやグリフィンも、既に脱出済みである。



 クラウディアたちが離れて間もなく、再び核弾道が落とされた。
 着弾地点は、先程まで共同作戦が行われていた場所、エルドア地区である。
 爆発が、エルドアすべてを飲み込んでいく。既に動かなくなったフリーダムとジャスティス、墜とされたアークエンジェルだけでなく、まだその場に残っていた兵士や逃げ遅れた民間人も、すべてを巻き込んで。

2024/08/12

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