「で?」



なんだこの状況。
ここは教室。
私と宗次郎以外誰もいないけど。
私は宗次郎と壁に挟まれている。
そして宗次郎はとても高圧的。

何故こうなった?
私は普通に廊下を歩いていた。
でも突然空き教室から腕が出てきてそのまま引きこまれた。
ホラー映画並みにびびった。

そしたらお怒りの様子の宗次郎が
私の肩を掴んで壁に押し付けた。
痛いと言っても聞いてくれなかった。
相当お怒りのようだ。




「あの男と話すなと言ったでしょう?」

「は?」

「あの人、あなたのこと狙ってるんですよ」

「で、でも無視なんてできないし…」

「無視してください、無視しなさい」

「何それ、宗次郎に指示される筋合いないけど」

「…僕のこと大好きなくせに」

「ど、どんだけ自信過剰なの?」

「だって事実でしょう?」

「………あっちが話しかけてくるからしょうがないの」

「で?許せと?認めろと?」

「……どんだけ嫉妬深いの…」

「いいことじゃないですか」

「自分で言うなバカ…別にいいことじゃないし」




宗次郎はふふん、と笑った。
そう、宗次郎はムダに嫉妬深いのだ。
少しでも私が他の男子と話すとすぐこれだ。




「ということでお仕置きです」

「?」




その瞬間口に何かが差し込まれた。
細い、そして甘い。
…ポッキー?




「今日はポッキーの日ですよ、知ってました?」

「…う?」

「記念日は一緒に祝いましょうね」

「…っ」




まずいこれはまずい。
ポッキーを折って逃げようと考えるが
それを悟った宗次郎は更に強く肩を押さえつけてポッキーの反対側を口に含んだ。

口を少しすぼませてポッキーを口に含む姿に不覚にもときめいた。
それと同時に変態だと思った。




「…ああー!」

「うるはいでふよ」




宗次郎は口を動かしポッキーを食べ進めはじめる。
縮まる距離。
絶対に私は食べてやらない!
そう思っていたけれど、突然後頭部に手を添えられ頭を前に動かされた。
必然的にポッキーは口の中に更に入り込んでくるわけで。
このままでは喉に刺さって非常に危険なことになってしまう。
それは駄目だ!
私はポッキーを食べ進めるしかなかった。

壁を一枚隔てた廊下ではたくさんの人が行き交っている。
それに対してこの教室の空間は変に静かで。
何とも奇妙な感覚に陥った。
ハラハラした。


ああ、あと1センチ。
そっと目を閉じる。
唇が触れる。
授業開始の鐘が鳴った。











じょじょじょじょい!








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