僕に、彼女を守ることはできるのだろうか。
それよりも、彼女の傍にいる資格なんて、僕にはあるのだろうか。
血に汚れた僕を、彼女はこれから先も愛してくれるのだろうか。
太陽の陽を浴びて輝く彼女。
彼女が日に当たる人だとしたら
きっと僕は日陰の人間。
そうなったのは、自然の成り行き。
だけど。
「名無し、さん・・・」
「・・・?」
「抱きしめて・・・くれませんか・・・」
少し驚いたような顔をした。
僕はそっと彼女の額に唇を寄せた。
彼女は照れたように小さく微笑んで僕の背中に腕を回した。
「1分だけ・・・」
「・・・」
「1分経ったら、いつもの僕に戻りますから・・・」
「・・・はい」
だから今は。
少し、甘えさせて。
想う