「どこ行くの?」
「任務です」
名無しは僕の後ろを着いてくる。
そうなんだ、と別段感心した風でもないように頷いてニコニコしながら僕に続いて扉を抜ける。
危険な任務だから着いてこられても困るんだけどなぁ・・・。
「私も行く」
「ダメです」
「なんで」
「危険ですから」
「大丈夫よ」
「何を根拠に・・・」
彼女に気付かれないように小さくため息。
怪我したら困るから連れて行きたくないのに。
それを言っても彼女は「行く」の一点張り。
「ねえ名無し、お願いですから・・・」
それだけ言って、言葉の続きは彼女と僕の唇に消えた。
触れるだけ。
それがいい。
「待っててください、必ず帰ってきますから」
初な彼女は頬を染めて頷いた。
効果あり、ですね。
僕は名無しの頭を撫で、彼女の視線を背中に感じながらアジトを後にした。
追いかける