外はもう薄暗い。
日誌を書くために俯いている瀬田くんは拝みたくなるほど格好いい。




「・・・なんです?」

「あ、いや・・・」

「僕の顔になにか付いてる?」

「ついてないついてない!!」




ふ、と少しだけ笑う瀬田くん。
あああああ格好いい。

シャーペンを動かす綺麗な手。
その字も綺麗だ。




「ん、あと書いて」

「あ、ありがと」




瀬田くんの分は終わったから
後は私が書き終われば日直終了。




「瀬田くん帰っても大丈夫だよ?」

「・・・」




無視か!

聞く耳をもってないみたいだから急いで自分の分を書き上げる。
でも気になる。
気になりますその視線!




「せ、瀬田くん・・・」

「なに?」

「・・・気になるんですが・・・」

「気にしなきゃいいですよ」




そんなムチャな!
綺麗な顔に見つめられたら字なんて書けません!
ほらいつもより字汚くなっちゃった。




「よし、終わっ・・・」




書き終わって顔を上げた瞬間、目の前には大画面の瀬田くん。
近くない?




「なっ、に?」

「なんか・・・・・・無理です」

「は?」




瀬田くんの綺麗な顔が近づく。
まさかね。
いやまさかね。
避ける?どうする?
そんなことを考えてると瀬田くんの唇が触れた。
もちろん私の唇に。
でもそれはすぐに離れた。


そして瀬田くんは何事もなかったかのように日誌を教卓に出しカバンに筆箱をしまう。


私は放心状態でそんな瀬田くんを見つめた。
瀬田くんはドアで立ち止まっている。




「早くしてくださいよ」

「は、え?・・・あ、先帰っていいよ」

「・・・外」

「外?」

「暗いですよ?」

「ああ、うん暗い」

「・・・・・・はあ」

「え!?私なにか言った!?」

「・・・一緒に帰ってあげますよ」




ぼそっと呟かれた言葉。
瀬田くんの頬がすこし染まる。




「え、あ・・・ええ!?」

「いいから!早く!」




ずんずんと廊下を進み始める。
慌てて追いかける。
追いつくと私に合わせて歩くスピードを落としてくれた。

半歩前を歩く瀬田くんを見上げると自然と口が緩んでしまう。
瀬田くん瀬田くん、と名前を呼ぶと
恥ずかしそうに口元に手を当ててそっぽを向いた。
キスしておいて今更シャイになるな!








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