「宗ちゃん…、」
隣ですやすやと眠る名無しさんは、僕の名前をぽつりと呟いた。寝言でも僕の名前を呼ぶなんて、頬はついつい緩む。
「名無しさん、」
僕も呼び返してみれば、名無しさんの眉が少し動いた。
「…名無しさん?」
ぎゅう、と僕を抱き閉めた。僕の胸に顔を埋めて。
「く、苦し…!」
寝ていた名無しさんは、僕の腕の中から顔を出して。
「はは、名無しさんから抱き付いたんじゃないですか…」
僕かそう言うと、名無しさんは顔を赤くした。
「だ、って、」
「…」
「宗ちゃん、あったかい…」
ふふ、と笑いながら僕に抱き着く名無しさんに、胸がぎゅうっと締め付けられる。それと一緒に、僕のなかの何かが、壊れる音がした。
「…すぐ、そうやって僕を誘惑するの辞めて下さい」
「え?どうゆう…!」
名無しさんの言葉を遮って、口付けた。今の僕はきっと男らしくない。余裕のない僕を見せるなんて、恥ずかしいけど。
「っん…宗、ちゃ、」
「黙ってて下さい」
「やぁ、っ」
唇と唇の間から漏れる、名無しさんの声と吐息に僕はもっともっと欲情する。
「…名無しさんの、せいですからね?」
涙を瞳に溜めた名無しさんを、優しい笑顔で、見下ろした。
( 宗ちゃん、それ以上私に触ったら嫌いになるよ ) ( …すみません ) ( …初めてなんだから、優しくして、ね? ) ( わ、分かりました! )
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妖の凛さんにムラムラ宗次郎をリクエストさせてもらいました!
いやあ、もうムラムラしちゃう宗次郎にムラムラしちゃいました!!
でも攻めたあとに腰が低くなる宗次郎が可愛すぎる!
ニヤニヤしながら読ませていただきました。
凛さん、リクエストに応えてくださって
本当にありがとうございました!!
椎名