■ 暇を持て余した銀閣の遊び。(銀閣)

「銀閣さん、まだ寝るの?」

うるせぇなと悪態づきながら片目を目を開ける。着物がはだけて少しやらしいぞ、悶々するんですが。

「暇なのか」

「ええ、それはそれは暇です」

こんな何もない四畳半ばかりの部屋にぼっちにされていては暇に決まっている。遊んで下さいよ、と近くに寄れば子供かと笑われた。

「大人ですよ、列記とした。ねぇ、お話しましょう」

「じゃあ、お前の話を聞いてやるよ」

よっこらせ、と気怠げに身体を起こし私の後ろに腰をおろした。え、嘘でしょ。

「あの、え?」

「なんだ?」

腰に手が回され、肩に銀閣さんの顎がのる。なんの冗談だろうか。いや、むしろ今まで何も無かったのがおかしいくらいじゃないのか。相手は三十二歳だぞ、落ちつけ落ちつんだ…。

「こ、こんなにくっ付いたら話も出来ないです」

「大人、なんだろ。」

気にすんなと喉を鳴らし笑う彼に顔が熱くなった。怒っているからではない、近くで聞こえる低い声と掛かる息がくすぐったく近くにいる銀閣さんに酷く心臓を鷲掴みにされたからだ。

「年齢は、です」

経験は皆無なのでと続けるとまた笑い出した。からかわれているのだろうか。だったら帰りたい、きっと赤いであろう自身の顔を両手で隠す。

「いいねぇ」

「やめて下さい、親父ですか」

「まぁ、歳的にはな」

嫌かと聞かれるが、嫌な訳ないじゃないですか。むしろ、好きです。なんて声に出せるはずなく、首を横に振るしか出来なかった。

急に黙った銀閣さんを不思議に思い、チラリと横を見ればボリボリと頭を掻き困ったように眉間に皺をつくる彼がいた。

「あー…」

言いにくそうに口を開け閉めする彼に何を言い出すんだろう、若い娘は面倒臭いだろうかと緊張していたが、その考えは次に発せられる言葉でトドメをさされたのであった。

「ここに居ても何もする事ねぇし、時間ばかりある。だよな?」

私の頭の上には大きなハテナ。え?と返すと


「徐々に楽しんでいく事にするかね」


腰に回された片方の手が頭を掴まれ、頬にちゅっと軽い音と共に唇を落とされた。

そこを重点に熱が集まる箇所を両手で抑え、声に出せない声を出しているとまた一つまた一つ落とされる唇に貞操の危機を感じたのは言うまでもない。



______________



「徐々にってさっき言いましたよね」

「言ったか?そんな事」



アンケで銀閣増えろーとの言葉がありましたので、更新(^O^)大人の魅力にやられました。きっと面倒くさがりな彼は痩せている胸板をチラリと見せるはず、うわ、そんなん最高やん。と書いた作品

感想お待ちしています、失礼しました。





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