まさかのタカさん大暴走。

「リョーマ!」

私とテニス部一年の越前リョーマは幼馴染。クラスも違うしそんなに学校では話さない方だからあまり知られてはないのだけれど。
そしてマネージャーも務めている私は特に誰と仲良くしたりとかはない。中立。テニス部ファンは熱狂的で怖いから。

そして、タカさんは大好き。

しかし、今はしょうがない。
どーもこうも、うちのお母さんからリョーマに渡せと言われていたのだから。

「はい、うちのお母さんから」

「うん、ありがと。だけどなんでこんなにひと気のない所で会うわけ?」

河村先輩に見られちゃマズイから?とニヤニヤ笑う幼馴染。くそ、図星だよ。タカさんとは付き合ってるし、こういう所を見せて心配されるのも嫌だ。
あ、テニス部のファンに絡まれるからやだとは言ったけどタカさんには熱狂的なファンはいないから、大丈夫。私だけのタカさんだもの。

手塚先輩や菊丸先輩や不二先輩に近づいた日にはもうそりゃ怖いでしょうよ。リョーマにも最近先輩達からの人気があるから部活以外では話さないように最低限気を使っているのだ。

「うるさいな、お守り大切にしなさいよね、お母さんが手作りであんたに作ったんだから」

あまり裁縫が得意ではない母が作ったつぎはぎだらけの必勝のお守りを渡し私はふいっと顔を反らす。

こいつ、また身長でかくなった?
いや、私が小さいだけか。

「お礼、言っといて。てか花子最近付き合い悪いよね、タカさんと付き合ったからってさ」

「うっさい、そういう理由じゃないから。あんたが先輩方に気に入られてると私みたいに仲良くしてる奴が疎ましく思われるのよ」

「ふーん、まぁいーけど。そうなら今現在と学校の外では幼馴染って事でいいよね」


リョーマは昔のように私のおでこを自身のおでこにくっ付け笑った。もう、こういう事されると恥ずかしいんだけどな。

「はいはい、じゃあまたね」

私は手を降りリョーマに背を向け歩き出した。

そう、この時はまだ知らなかった。この時の光景をあの人が見ていただなんて、そしてあんな事になるなんて。

私は、知る由もなかった。








「あっ、教室に忘れ物しちゃった」

手に荷物が足りないと私は教室に戻る事にした。まだ鍵は閉められていないみたいだ。良かった。

私は机に向かい袋を手にして早々と帰ろうと夕暮れの教室を後にした。

教室を出たところで掴まれる手。

「あ、れ?タカさん?」

なんでこんな時間にここにいるんだろう?私は顔を覗き込むように見るがタカさんは目を合わせようとしてくれない。

「どうしたの?タカさん…わっ!」

手をいきなり引っ張られ、ずんずんと歩き出すタカさんに少し怖さを感じた。
どうしたんだろう、何かあったのかな?
連れてかれたのは誰も使用しない所謂空き教室というやつだ。この階の一番隅にあるこの教室は生徒の間では先生も来ない事からカップル専用の憩いの場にさえなっている。

中にはいれば内側から鍵が掛けられ、頭にハテナが浮かぶ。なにか大事な話かな。

「花子」

やっと口を開いてくれたタカさんに安心して口元が緩む、タカさんの声大好きなんだあ。

「タカさん、なあに?−−!?」

するといきなり両手を壁に拘束される。
ぎゅうと掴まれる腕が痛い。

「越前と何話してたの?」

真正面にはタカさんの顔があってなんだ見てたんだと説明しようと思えば重ねられる唇はだんだんと深さを増していき、息がしずらい。

「んっ…んんっ…はぁっ」

やっとの事で息を吸えばまたキスの繰り返しで、いつもの優しいものとは違うそれに私は戸惑っていた。

伸びてくる手、スカートの中へと入ってくる。

「やっ…やだ…こんなとこじゃ…」

「うるさいよ」


今のタカさんの言葉に私は震えた。怒ってるんだ、タカさん。でも…なんで?
床に寝かされる背が冷たい。もう、止まらないんだ。

太腿を撫ぜていた手は下着の隙間から入りキスで濡れた秘部をくちゅりと音をさせて触る。教室が静かだから響くなぁと思いながらも深く埋められる指に花子は耐えていた。

「あっ…ん、はぁ…」

タカさんの肩をぎゅっと掴むけれどいつもみたいにぎゅっとは抱きしめてくれない。

一本でも体格の良いタカさんの指は太いのに更に追加されていく指。

「あっ!…ぁ、やだ、やだ、タカさんやめてっ」

「どうして?もうどうせ花子だってやめれないだろ」


自身のベルトを緩めるタカさん、ああ、私なんかしたかなとぼんやりする脳内で考えていた。"越前と何話してたの"から始まったんだっけ、明らかにリョーマのせいじゃないか。

覆いかぶさるタカさん、くちゅりと擦りながら中へと侵入してくるタカさんのモノ。
あれだけ慣らしてもまだ痛い。私は眉間に皺を寄せた。
いつもなら大丈夫?とゆっくり腰を動かしてくれるのに…

「ああ!んっ!ぃた…タカさ…痛いよぉ」

「っ……はぁっ…うるさい」


何度も何度も奥を付かれて淵から血が出ているんじゃないかとも思った。
こんなに揺さぶられて痛い、痛いだけの筈なのに、タカさんが上にいるだけで徐々に気持ち良く感じてしまっている私も相当だなぁ、と思いながら声をあげた。






「タカさん、」

「ごめん、花子ちゃん、本当にごめん。こんな酷い事をするつもりじゃなかったんだ。越前と仲良くしてる姿を見たら頭に血が登っちゃって」

やっぱり、そうだったんですねと私はしょんぼりするタカさんに手を伸ばし頬をつねって顔を覗き込む。

「いたたた…」

「リョーマとは幼馴染なんです、でも過剰なスキンシップは帰国子女特有でしょ?今回の事は私も悪かったから…これでおあいこです。」

「花子ちゃん…」

「私、どんなタカさんも好きだけど今の優しいタカさんが一番大好きっ」


きっとタカさんは酷い事をした自分を責めて別れを切り出すんじゃないかと思っていたから私はタカさんに抱き付いてまず先に何があっても別れませんよと口にした。

「花子ちゃんにはなにもかもお見通しなんだよね、参ったよ」



しかし、あそこがジンジンする。いつも恥ずかしがってスキンシップをあまり取ってくれないタカさんだけど責任取って下さいと言えば毎日毎日労わってくれそうじゃない?

「ね、タカさん帰りましょう?腰が痛いなぁ…お姫様抱っこして下さい」

「えっ、それは…その…ちょっと…」

やっぱり顔を赤くして、当分の間は使わさせて貰いますからねっ。

「怖かったなぁ、無理矢理されて…」

ひひひっラッキーだなんてこんな酷い顔は見せられず、ばくばくと鼓動が早いタカさんの胸に顔をうずめるのであった。

タカさんのポケットにはお母さんと作ったタカさんの為だけの手作りの必勝お守り。ハートが沢山で名前もいれてあるしお母さんが作ったリョーマのと比べるとクオリティが違うからまた、妬くってことは無いだろうけど。

「タカさん、家帰ったらポケットの中見てみてね?」

「え、うん。わかったよ。」



ふふふ、タカさんだーいすき!

「そっそんなくっ付かないでよ」





琥珀さんからのリクエスト。
青学の河村隆で嫉妬系の甘裏、男子テニス部マネージャー兼二つ下の恋人設定で後輩のリョーマと仲が良いのを偶然目撃して空き教室で強引に襲われる…という設定。
そして、リョーマとは同い年の幼なじみ設定でというものを頂きました。
タカさん良いですよね、ほんと可愛いです。タカさんと言えばキャラソンですが本当うまい!声優さんは芸人のアサリドでTVに出ている時から知っているので大好きです。
いやあ、タカさんに抱っこされたい、本当寿司食わせてほしい。タカさん。最高!!

2013.07.18 ひまわりより。





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