■ 05話/緊張ぐらいする。

目の前の御老人はおばちゃんの言葉を受け直ぐに許可を出した。
学園長先生なんだよな…こんなにすぐ人を雇って良いものなのか?まぁ、おばちゃんの知り合いという事で許可が下りたのだとは思うのだけれど。

「あの、そんなに直ぐあたしを雇ってしまって良いんですか?」

やはり、そこは聞いておいた方が良いだろうと思い尋ねると愚問じゃ!と声を張り上げた。目をパチクリさせると答えを返してくれた。

「お前さんがもし敵の刺客だったとしてもじゃ、この学園には何の影響はない。」

強者の忍が教鞭を振り忍びの卵をわんさか育てておるでのう、お主1人なぞこうじゃと私の目の前に出した煎餅を二つに割る。

背筋が凍りつく様なそんな感じがした。別に刺客な訳ないのだが…

固まっているとおばちゃんが声をあげて笑った。

「あははは!大丈夫よ!そんな怖い人達なんてこの学園にはいないわ!」

みんな優しいのよと安心させる様に私に微笑むおばちゃん、まじ女神。

まぁ食えと先ほど学園長先生が割られた煎餅を半分頂きバリバリと口にした。
そういえば、話を聞くと忍者の学園とは…死ぬ以前あたしの父が忍者をしていたなぁ。

「忍者とは、どんな仕事を?亡くなった父は忍をしていたのですが、内容を教えてくれなかったので。」

父の名前を聞かれたので教えると、目をまん丸くして驚いた。父はそんなに凄かったのだろうか?家に帰ってくる度に真っ裸で生活する豪快に笑う阿保な父を思い浮かべる。

「ほぉ!そうか…お主確か苗字を山田と言ったな、わし会った事ある!」


え、まじで?


____________

以前、学園の任務を請け負って貰った事も、昼メシ一緒にした事もあるよ!

「そ、そうですか…」


忍とは、その任務を身内にもおろか同業にも話さないという。大切な人にまで危険が及ぶ仕事なのだと教えて頂いた。

父上、そうだったのですか…


(comment*☆.)


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