■ 02話/今すぐお前を殺して。
私の仕事場を破壊したお侍は両頬がパンパンに赤く腫れた所でやっと目を覚ました。
「…しゅ、しゅびばせんでじだ」
きっと「すみませんでした」と言っているのだろうが私はこいつに謝罪を聞きたかったのではない。顔面をふんずけたまま汚い顔のお侍に顔を近づける。
「金だよ、金。金出しな。」
そ、そんな笑って下さいよーてゆうか足退かさないと着物の中が見えて仕舞いますよー。
何つったコイツ。
「今はそれどころじゃねぇんだよ、な?分かるこの状況。」
うどん屋のオジさんとあたしの仕事場を親指を立ててクイッと親指さすと、あわわわと明らかに震え出すのが分かったが離してやるもんか。
「金が無いんだったらお前を鎖で繋いで奴隷として何処かに働きに出てもらいますが」
それだけわぁ、それだけわあ、と滝の様に涙を出すこの男は泣くしか能がないのだろうか。周りからはもう許してあげてもいいんじゃないかとなだめられたけどそんな事許す筈がないでしょ?あたしの腹の虫がおさまらない。
「あたし、一文無しだよ。あんたのせいで。」
「死にたくないよね?弁償できないんなら何処でも良いからあたしを住み込みで雇ってくれるとこ探してこーーーーーい!!!」
ブンブン胸ぐらを掴み揺すると明らかに閃いた!と言う顔をしたので苛ついて嘘つくなともう一発殴ってやった。
「ぁば、あば…あじまず。」
_____________
え、本当にあんの?
[
prev /
next ]