■ 24話/貴方は悪魔ですか?
「え、くるの?」
「君は正直だね、口にでているよ」
そう言えば山田先生の荷物を届けに行くと言っていたっけ。そうだったそうだった。しかしまぁ、土井先生の事を少し聞けたから利吉くんの事は好、いや、普通。まぁ、別にいいか。
うどん屋の支払いは土井先生が払ってくれた。自分で払いますって言った私の手を止めて、いつも美味しいご飯を作ってくれているお礼ですって言ってくれた。貴方はまじで天使ですか。
私が顔を赤らめて会計を済ましている土井先生の後ろ姿を暖簾越しに見ている時、それを邪魔する声が後ろからかかる。
「あらら、見るからにご執心ですね。」
悪いか、好きだ。開き直るもう好きだわ土井先生。くらえ!くらえ!らぶ光線くらいやがれ!背中に向けて熱い視線をおくれば振り向いたので直ぐにそらした。あぶね。
「私だってフリーで売れっ子の忍者なんですけどね」
土井先生、マジで可愛い。店のおじさんにからかわれて顔赤くしてんの、ほんとどーしたら良いのこの気持ち。
「……土井先生、子供いますよ」
うわーなんて言われたんだろ、私との事か…え?何つった?
「は?」
「変な顔ですね、あはは」
「今、私の聞き間違いでなければ子供がいると聞こえたんだけど」
聞き間違いかな?と聞けば笑顔でいーえ、と言われてしまった。
「さっき彼女は今いませんって言ってましたよね、奥さんはいるってこと?」
え、でもおばちゃんはそんな事言っていなかったし、またまたまたーと利吉くんの肩を叩けば本当ですよとまた。
「子供と二人暮らしです」
(がしゃーんと何かが崩れる音がした)
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