■ 23話/山田さんちの息子さん。




はぁ、土井先生と二人きりの食事の筈だったんだが何故か山田先生の息子さんも一緒にきてしまった。終始にこにこしているし、かと言って土井先生を見ればどうかしましたかなんて微笑まれて目の行き場がない。

「利吉くんはこのあと忍術学園へ行くのかい?」

「ええ、着替えを父上に渡しに」

まぁそれを口実に実は食堂の新しいお姐さんを見にきたんですよ☆なんてこっちを見てウインクされた。なんだこの本当に今風の若者はー!!もう何も言えず黙っていれば勝手に二人が話してくれるのでそうしていた。

「いやあ、土井先生が女性と二人きりで歩いているので驚きましたよ。あの土井先生がねえ!あっはっは」

ぴくり、耳が動く。
あの土井先生がとはなんだ?だって私の勝手な予想だと恋人はいなくとも綺麗なおねえさんや可愛い町娘から言い寄られていそうなのだけれど。

「あは、気になりますか?」

くそー、なんだコイツ。なーんでも教えて差し上げますよ、土井先生と幼少の頃から知り合いですからねと私に言う。山田先生同意育て方してるんですか、顔はかっこいいんだ顔は。

「利吉くんっ」

別に彼女は私に興味はないからと慌てて制す土井先生に利吉さんはニヤニヤ状況を面白がって見ている。
私はお茶をごくりと飲み、ではと利吉さんを見る。


「土井先生、利吉さんを少し借りますが宜しいですか」

「えっ!?いや、別にそれは大丈夫ですが…」


了承を得た私はすぐに彼の袖をひっぱり、暖簾の外に出て彼を壁に追い詰め襟首を握った。



「知りたいです、じゃあまずは土井先生の身長体重、彼女歴、好きなタイプ、えーと後…」

「ちょ、ちょっと落ち着いて!」


これが落ち着いていられますかっ!と幕したてれば彼は困ったなと笑う。

「やはり花子さんは土井先生が好きなんだね」

え?そう見えますかと首を傾げればええと頷かれた。好き、え?これが好きと言うことなんだろうか、でも別にどうなりたいとも望んではない筈だけど…

「とりあえず教えて下さい」

「えーじゃあ私の事、利吉くん!って呼んでよ」



この…イケメンがぁぁぁあ!!
(comment*☆.)


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