■ 02話/甲高く笑う、笑う。
「美味しい。」
初めて茶屋を訪れた私は団子を口にその広がる甘さに頬を緩める。良い御天気ですね。
周りに座る人達をキョロキョロと見回す。男女仲良く座る方々、とても羨ましいです、あの幾らかお年を召したお侍さんは昨日の方々を思い出します。
空を見るのは私の癖なのだろうか。その時目の前の木の葉がガサリと動いた気がした。
気のせいかしら。
「ご馳走様でした。」
お金を払い茶屋を後にする。
視線を感じます、しかもなんだか纏わり付く用な視線で少し不快です。
私は草履の鼻緒を治すふりをし、小石を広い感じる先にぶん投げました。
「あだぁっ!!」
げ、何だか紫色の塊が木の枝から落ちてきました。人ですか、何なんですか、あんなに高い所にいる人間初めてです。
私はささっと早足で駆け寄るとそこら辺に落ちていた枝でツンツンしてみました。
あ、動いた。
「人を枝でツンツンすんじゃあねぇよ!」
ああ、やっぱり人だったんですね。
まじまじ見れば、私よりも大きな背丈に真っ黒な大きな瞳に不思議なムラサキ色の服。
何だか顔が赤いです。
「あの、石を投げて枝でツンツンしただけなのに何故顔を赤く?」
ぶんっと顔を一気に背け、ゴキゴキと身体を変形させていく。
あらまあ、凄いわ!
「何処が赤いってんだ?あ?全然赤くなんかなってねぇだろうが!見れば見るほどお前変だなぁ、女のくせに刀なんか持ちやがって。きゃはきゃは!」
確かに赤くはないが、先ほどと打って変わって顔や体つきが全く違う。ごめんなさい、会話が入ってきません。
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「あの、凄いですね。触っても?」
「ああ!?ふざけんじゃねぇよ!お前になんか腕しか触らしてやんねぇよ、」
なんだ、只の良い人じゃないか。
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