■ 12話/いつか始まる恋の助長。
果てしなく長い時間、団子を口にする事が出来なかった。極め付けには、こういった約束までさせられてしまったのだ。
友達から手順を踏んでいくから、いつかはその先の恋人候補の枠に拙者を入れてくれればそれでいいと、私はそれならと頷いた。
好きな人と一緒になれる、このご時世誰にもできる事ではなく私や錆さんのように自由の身だからこそできるのだ、なんて幸せな事でしょうか。
結婚適齢期を過ぎたが何も知らない私。
好き、という気持ちを知らない私はこれから色々な人に出会いながら学んでいくのである。
「拙者はこの先で用事が出来たので此処で失礼するが…。」
花子殿はと聞かれ、分かりませんと答えた。
いく先は決まっておらず、ただ旅をしているだけであったから。
「では、また暇ができたら貴方を追いかける。その時はまた拙者と」
甘味処で会話を楽しむでござる。
だなんて、寂しそうにくしゃりと笑う姿に不覚にもトクンと心臓が動いた気がした。
此れが、ときめいたと言うのでしょうか。
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次は拙者にときめいて貰うでござる。
「さて、何処にいこうかな…」
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