■ おっぱい番外編(銀閣)




※おっぱい番外編と言う事で書きましたが、蝙蝠さんとは違い連載には見なくても何ら影響はありません。宇練さんを大人で冷静な人と思い好いている方はこの先、気を付けて見て下さい。少しキャラ崩壊になってしまっているやもしれませんので事故判断で見るのをやめてください、お願いします。







ガタガタガタ。

この襖はこの軋む音がするから良いんだが、今は修理中だ。昔から受け継がれている城だからどんなに手を加えても古い歪んだ床板は張り替えるかしなければ襖を入れ替えたとしても襖を開ける度に音が鳴り止む事はないのだ。

俺はこんなに阿保だったか?


額に手をやる。
はぁ、熱はねえようだが。

俺の定位置は決まってここだ。いつもの場所に腰を落ちつかせ…いや待て、いつもの定位置から右に二歩ほどずれてんじゃねえか。

「………これはやべえな」

おかしい、おかしいおかしい。

俺の身体から変な汗が流れ始める。たらたらたら、嘘だろ。いや嘘だと言ってくれ。いや、分かっているんだ。こんな砂漠の真ん中で誰かに今すぐに否定して欲しいだなんて無理な事ぐらい。

しかしだ。
今すぐ否定されなければ俺は引き返せねえ気がする。だからもし、今この襖を開けて刀を奪いにきた刺客が居たとしたら脅してこの考えを真っ向から否定してもらおうと思う。早く誰でも良いから来いよ、おら。






「………ちっ」



来ねえじゃねえかよ。何でこういう時に限って来ねえんだよ。いつもは飯食ってる時だろうが刀を手入れしている時だろうが、俺の一番の楽しみである睡眠を妨害してまでも取りに来るだろうがよ。


寝て頭を切り替えようと、ため息一つ吐き目を瞑った。

しかし、頭に浮かぶのはあの小娘の姿ばかりだ。消そうと消そうとしても出て来やがる。



「はぁ、俺はいつからこんなに乙女になっちまったんだろうかねぇ」







それはついこの前の話。



「ちょっ!銀閣さんっ、それ私の漬け物です!しかも最後の一個です、返して下さいっ!」

いつもの会話にいつもの風景。何ら変わらない日常だったと思う。しかし、この出来事は明らかに俺の中の何かを変えたと、俺は思う。


「くくく、手を付けないから嫌いなのかと思ったぜ」

「残していたのは最後に食べようと…あっ、その笑み、分かってて取りましたね!」

あいつは俺に飛び掛ってきた。いや俺にと言うにはちょいと違うか。

この、漬け物にだ。

「おいっ、危な…」

やはりな、こいつはドジでマヌケでそれに加えて馬鹿だ。手前でガツンと俺の盆につまずき盛大に転けたあいつがコマ送りでゆっくりと俺にダイブして来やがる。


「きゃあああっ!」

その感触、光景は数年もの間この城に引きこもっていた俺に衝撃をかましてくれた。

ガタンッ、むにぃ…

「いたたた…」

俺の上に跨がる娘、乱れる着物、そして俺の腹の上にはたわわに実った胸が押し当てられている。


「退け、今すぐにだ」

頭の中がドクンドクンと煩い。身体中が熱い。そして、こいつの長いまつ毛白い肌を見る度に俺は唾を飲んだ。なんて旨そうなんだ、そのぽてっとした唇に吸い付きたくなった。平然を装ってはいるものの、本当は今すぐに行動に移してしまいたい衝動を俺に残る僅かな自制心で抑えている。早く、退いてくれ。


「漬け物、返して貰います。」

ぱくりと手元の箸から漬け物を食べられた。
そして俺の目の前には先ほどより近くに見える谷間、ああ、待て待て。こいつは十八歳だぞ、娘っこにこんな感情を持つこと自体犯罪だろうが、しかしチラチラ見てしまう。


「早く退かねえと襲っちまうぞ」

「ええ、退きますよ。漬け物は返して頂きましたし、というかあなたが悪いのにっ」


頬を膨らましながらよいしょと上から退くと安心感からか力が抜ける。床に突っ伏し顔に手を当てる。あちぃな。


「銀閣さん?」

「うるせえよ、ちょいと黙っていてくれ、頼むから」


寝ながらゴロリとあいつへと背を向ける。
俺の頭の中には先ほどの光景が見事に保存されていて、消そうと幾度しても消えてくれない。こいつ、こんなに無防備でよく今まで無事だったな。しかし、どうにかしてくれねえもんかねこいつを、後で一人でどうにかするしかねえ、か。

「ええー?そんなに漬け物欲しかったんですか、子供みたいな拗ね方ですね、本当に」

俺の苦悩を何も知らずにほくそ笑むこいつに腹が立ち、再度食べ始めた横からおかずを何品か抜き取る。素早さなら負けねえのよ、ざまあみろ。小娘。







「胸だけはやけに成長してやがる、調子が狂うねまったく」


(感想ぶちまける。)

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