▼ るんるんでれハウス!
「さぁ!僕の華麗な武器さばきに魅了されるがいい…ぜ!」
うわー、ほんと馬鹿だなこいつ。私は近くの切り株に座り頬杖をつきながら白けた目で見つめるは馬鹿貴族。
「童貞のくせによく言うよねー」
「む?なんだそのどうていと言うのは」
「え?貴族なのに知らないの、やっぱり君にも知らない事があったんだねー、ま、私は知ってたけどね」
「な、なに!?そんな筈ないだろう!知っているさ!!」
「そうだよねー"気高く美しい"ってこの事だもんね」
ぶつぶつと気高く美しいと繰り返すそれをみて口元が緩む。いけない、いけない、お馬鹿な痴態を見れなくなってしまう。我慢我慢。
「ね、ルディ君」
「あ、ああ!勿論だとも!」
さぁ、今日は早くギルドへ帰ろう。
みんなが待っている私達のギルドへ。
「諸君っ、待ちわびたか!童貞のこの僕が帰ってきてやったぞ!嬉しいだろう!」
皆の目が点になる。
そりゃ私達は童貞の本当の意味を知っているしまさかルンデルハウスからその言葉がでるとは思っていなかったのだろう。
いや、もうだめ。腹抱えて笑ってやりたい。
「なんだなんだー?童貞過ぎて言葉が出ないのかー、ハハハハハッ!!」
可愛いなー、無垢って言うか…
「うん、ルディ君。童貞だからみんなびっくりしてるんだよ、ハウスしようか」
私は彼の腕を掴み菜園へ向かう。
可愛い、可愛い。本当にそうなんだろうけどこの新しく覚えた言葉を直ぐに使いたがる所がほんと可愛い。
「なんだ?花子は僕の事が大好きだな、可愛い奴め!」
「はいはい、好きですよ」
「なぁ…その…お前も童貞、だな」
そうデレたルンデルハウスを見上げて見れば少し気恥ずかしそうにしていて、違う意味で頬が緩んだ。
彼を横から抱きすくめ顔を埋める。え、ちょっとうろたえる声が聞こえたが離してやらない。
「ほんと可愛い、大好き」
「な!僕は男だぞっ!格好が良いと言え!」
(お…おい、あいつ凄いこと言ってったけどどう思う、なぁ?)
(僕に聞かないでくれるかな)
(主君にゲスな質問をするなゲス継め)
(ミノリ、どうていってなんだ?)
(さぁ?何だろうね?お姉ちゃんは分かる?)
(え、あ!あー…わかんない…かな?)
(大人になったら分かりますにゃあ)
一緒にハウスしよう。
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